本記事は、安田 正の著書『超一流の強運力』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています
「夢」は縦へ横へと拡張する
ここまで、私が若かった頃の「夢」へのプロセスを紹介してきました。
あれから三十年の間に、都内で会社を興し、その会社の徒歩圏内に念願だった三階建ての家を建てることができました。
夢見ていたように、一階にはバーを造り、好きなスピーカーを置き、しょっちゅう社員やクライアントさんにいらしていただき、楽しく過ごしています。好きな車やオーディオも買いました。長年の間におおよそ欲しいものは、手に入れることができました。こうして「お金を稼ぐ、そして、大きな家を建てる」という夢を手に入れることができたのです。
しかし、これで夢が終わったわけではありません。
そんなふうに長年夢見ていたことを実現させた後にも、かつては想像もしなかった夢が新たにできて、最初の夢とつながりながら拡大していくことになったのです。
強運になるとは、そんなふうに夢を叶え、夢が広がることをいいます。強運フローチャートで示すなら、左の色づけした部分です。具体的には、自分の会社を作ったら、自然な流れで「会社を大きくしたい」という夢ができ、そのために邁進しました。
おかげで三十二年が経った今では、クライアントは三千社を超え、年間数万人もの方々に研修を受けていただけるようになりました。 まだまだ、私の思い描いている規模には足りませんが、最初はクライアントがたった二社から始めた会社です。こんな数になるとは全く想像できませんでした。
さらに、研修のテキストにするつもりで書籍を出版するようになったのですが、何冊も出版しているうちに「十万部のベストセラーを出したい」という夢を持つようになり、その夢が叶いました。
しかも、十万部どころか十七万部が出て、遂には「それ以上のベストセラーを出したい」と思うようになったのです。
現在、自分の予想を大きく超えた八十九万部の著書『超一流の雑談力』があります。著書は全部で三十冊近くにもなり、そのうち十冊ほどは海外でも翻訳されています。著作の累計は二百万部を超えました。これもまさに、夢にも思わなかったことです。
そして、この予想以上のベストセラーのおかげで、全く考えもしなかったテレビ番組への出演や芸能人の方との対談など、未知の体験ができたのも本当に楽しい出来事でした。
三十年前、出版社に原稿を持ち込み、「研修のテキストとして三千冊を買い取るので出版してください」とお願いしました。そして、初めての出版に漕ぎ着けられたのですが、それを考えると、今の状況は信じられないことです。
さらに想定外だったのは、大学院で授業をさせていただいていることでしょう。
京都大学から始まり、早稲田大学、東京大学、一橋大学と、そうそうたる大学でコミュニケーションや英語の授業をさせてもらいました。特に早稲田大学とはもう十年以上にわたるお付き合いになり、大学院の客員教授にまでなりました。これも、まさか私が「大学で教鞭をとる」とは全く予想できないことでした。
プライベートでは、冬の寒さが苦手なので「暖かいハワイに一ヶ月くらい住みたい」という夢がありましたが、それも毎年、冬の時季に叶えています。そして、そこで知り合った人たちが私の人生を豊かにしてくれています。
こんなふうに、夢は、その時々の自分自身や自分のステージによって、人生とともに変化してきました。
しかし、夢は「大きい家を建てるために稼ぐ」から「会社を大きくするために稼ぐ」となっても、「稼ぐ」という方向性は変わりません。また、「稼ぐ」や「仕事の発展」という範囲内に、「ベストセラー」や「ハワイ滞在」があるので、方向は同じです。
つまり、スケールアップしても一貫して同じ方向性の中で歩み続けることが、夢を叶え続けるポイントなのです。それは、一つの種から伸びた芽が、縦にも横にも枝葉を広げていくのと同じです。
方向性は同じで、夢をスケールアップしていく。こうすることで不思議とご縁も引き寄せ、夢の実現が加速していきます。これこそが強運への道なのです。
強運ポイント
強運になるポイントは、
「夢」がスケールアップしていっても、
同じ方向性で歩み続けること。
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