これまでは名誉職的な側面が強かった「顧問」が、この10年間で大きく性質を変えてきて、今や稼げる一つの職業になってきた。そこで、特集「顧問という働き方」では、3回に渡って顧問という職業に焦点を当てその変化を探っていく。1回目は沸きだつ顧問市場についてお伝えする。
職業になった「顧問」
「毎日1〜2件、多い日には朝から晩まで出ずっぱりのときも。現役時代よりよほど忙しくしているよ」
こう語るのは、ある有名企業で役員を務めた後、誰しもが知る企業にヘッドハンティングされて常務まで上り詰めた男性。今は退職して第2の人生を歩んでいるが、引退してのんびり過ごしているわけでもなければ、これまでのように企業に属したサラリーマンとして働いているわけでもない。「顧問」として新たな道を歩んでいるのだ。
顧問といえば、社長や会長を勤め上げた人物が最後に座る「名誉職」のイメージが一般的だ。しかしここ10年で大きく性格が変わった。過去に培ってきた経験や専門知識に基づいて、企業に対してさまざまな助言やアドバイスを行い問題解決に当たる「ブレーン」的な存在になり、一つの職業になっている。