ソースネクスト(4344)はPCソフト、スマホ用アプリ、loT機器などの開発・販売を手がける会社。中でも人気なのがセキュリティソフト「ZERO」シリーズだ。購入後の更新料が不要で、何年でも使い続けられる同製品が、コロナによる就労形態の変化を追い風に売上を伸ばしている。「ZEROlシリーズの企画・開発を担当してきた青谷氏に話を聞いた。
自動更新のセキュリティソフト
インストールするだけでOK
同社はPC(パソコン) スマホ端末などで使用するセキュリティソフトを扱っており、主力として「ZEROウイルスセキュリティ」と「ZEROスーパーセキュリティ」の2製品を販売している。どちらも働きはほぼ同じだが、「ZEROウイルスセキュリティ」は動作の軽さを追求したソフトで、2017年には登録1000万本を達成。端末1台用と3台用があり、1台用は1980円(税込)と低価格だ。 一方「ZEROスーパーセキュリティ」は世界的に評価の高い「ビットディフェンダー・エンジン」を搭載しており、こちらは端末1台用4290円(税込)〜.この2製品は、インストールした後何年使っても更新料支払いが不要なのが特徴だ。もちろんソフトの中身は、新種のウイルスなどにも対抗できるよう、ネット回線を通じて自動的に更新されている。
「他社のセキュリティソフトは、1年または3年ごとに端末の画面にクソフトの期限切れクの警告が現れますが、実は更新せず、警告を出したまま使用を続けている人も多いようです。更新することは、ユーザーにとってストレス。それが軽減でき、しかもずっと安全に使用できるのが「ZERO』シリーズの強み」(青谷征夫執行役員・プロダクトGroup責任者)
「総合ベンダー」だから低価格化
持ち帰りPCへと需要が広がる
同社は03年に初のコンシューマー向けセキュリティソフト「ウイルスセキュリティ」を発売。当時は他社製品同様、年ごとに更新料を取っていた。しかし06年、業界の慣習だった年間更新料を0円にした「ウイルスセキュリティZERO」を発売c家庭内に端末が増えていく需要をとらえ、07年、08年、11年、13年には国内販売台数1位を記録した。
「当時はすでにセキュリティ専門の大企業がソフトを販売しており、当社は後発組。だから先発企業の逆張りで、更新料を取らない戦略にしよう。しかも当社は総合ベンダーなので、ここは安く抑え、その分他のソフトを楽しんで頂こうと考えました」(同氏)
発売当時は、安くて安心ということで家のメインPCに使われるのはもちろん、家のメインのPCには使い慣れたソフトを入れ、お金をかけにくい複数のサブPCには「ZEROウイルスセキュリティ」をインストールするというユーザーも多かったという.さらに最近はテレワークが浸透し始め、家庭で仕事用に使うPCに「ZERO」シリーズをインストールする人が増えている。
「世の中の稼働端末の数が増えて、コンピュータを使う環境が多種多様になってきました。企業サーバーでのセキュリティ対策に頼れない今、結局は個人が使用する端末(エンドポイント)でのセキュリティ対策が重要となるため、需要が拡大していると考えます」(同氏)
同社はセキュリテイ以外でも、「いきなりPDF」といった業務関連ソフトの売上が好調。コロナ下での同社の業績に注目が集まっている。
(提供=青潮出版株式会社)