2021年6月9日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は109円ミドルで膠着状態となっている。先週4日(金)に発表された米雇用統計の悪化からドル売りが意識されるところだが、明日10日(木)の米消費者物価指数(以下CPI)では強い数字がでるのではと予測されているため、下値攻めもなかなか難しい展開。また、明日10日(木)にはECB、来週にもFOMCが控えており、確認しなければわからない事が多く、方向感は出しにくいだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は明日10日(木)の米CPI発表まで我慢が必要かもしれない。レンジは今週の高安から少し余裕をもって109.10~109.70円付近でうまく立ち回りたい。米CPIは数字次第だが、先月くらい良い数字であればシンプルに買っていきたい。来週FOMCを控えているので深追いはできないが、110円台はテストしてほしいところだ。一方ECBではパンデミック緊急購入プログラムの購入額を「縮小するのか、維持するのか」ということが焦点となる。足もとラガルドECB総裁の発言を見ると「インフレは一時的」「テーパリングは時期尚早」と述べているほか、ユーロ高にも懸念を表明しており、今回のECBでテーパリングについて踏み込む可能性は低いかもしれない。一部テーパリング期待も残っているだけにハト派的な内容であればユーロは下押しされるだろう。ただ、ハト派となった場合でも、テーパリング時期がスライドされただけであれば、継続的なユーロ売りには直結しないのではないだろうか。押し目があれば対円で拾ってみたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。