2021年6月17日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米連邦公開市場委員会(FOMC)は一昨日15日(火)~昨日16日(水)の会合で、予想通りに政策金利と資産買い入れの規模を据え置いた。声明にも大きな変更はなく、テーパリング(量的緩和の段階的な縮小)に関する直接的な言及もなかった。ところが、同時に公表した政策金利見通しを示すドットプロットは意外なほどタカ派的であった。18人のメンバー中13人が2023年末までのゼロ金利解除を予想した上に、そのうち11人が2023年中に2回以上の利上げを見込んでいる事が明らかとなったのだ。多くの市場参加者にとって、2023年のゼロ金利解除予想は想定内だったが、複数回の利上げ予想は完全に想定外だったと考えられる。米債市場では10年債利回りのみならず2年債利回りも急伸した。なお、2022年末までのゼロ金利解除を18人中7人が予想しており、今後も米経済の回復基調が続けば、来年にも利上げが行われるとの見方が一般化する可能性もあるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今回のFOMCで市場の関心はテーパリングを一気に飛び越えて利上げに移った模様であり、当面はドルのサポート要因となる公算が大きい。利上げへの距離感を測る材料のひとつとして本日17日(木)は米新規失業保険申請件数に注目したい。市場予想の36万件以上に改善(減少)すれば、米ドル/円は110.96円前後の年初来高値の更新が視野に入りそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。