2021年7月6日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週2日(金)の米雇用統計は期待外れの結果となってしまった印象だ。しかし実際は、事前に発表されたADP全国雇用者数や新規失業保険申請件数が非常に良い結果だったため、マーケットの期待が高まり過ぎて、そういう印象になってしまった訳だ。しかし非農業部門雇用者数こそ予想よりも良かったが、失業率自体は上がってしまい、平均時給が予想よりも低かった。よって雇用統計後の上昇を見込んでロングを作った参加者からすると、結果を見ればインフレ懸念がないため早々にテーパリングという見込みが遠のいてしまい、失望売りをした形。また、金利の上げ方向で考えていた参加者も完全に肩透かしを食らってしまった。ただ実は雇用統計のそれぞれの数値を単体でみるとさほど悪いというわけでもなく、どちらかといえばよかったように思う。よって、ここからさらに米ドル/円が110円台をどんどん売り下がる感じでは無いと思うので、この失望売りの流れは、さほど長くは続かないと思っている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは110.25~112.20円。戦略としては十分に引き付けて買い場探しをしたい。流れ的に、雇用統計後に盛り下がった人たちが、もう一度押し目を買ってくるのではないかというスタンスでみているので、押し目はやはり待ってから買いたい。また、本邦輸出企業の動きとして、下の方ではおそらく慌てて売ってくることはないとみており、売りを仕掛けてくるのはおそらく、111円のミドルアッパー辺りからだろう。なのであまり追いかけて高値をどんどん買って行く相場ではないと思うので、慎重に買い場を待ちたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。