2021年9月1日9時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

8月末までといわれていた米軍の撤退だが、一昨日8月30日(月)に完了した模様。

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米国は31日(火)、アフガニスタンでの軍事駐留を正式に終了した。最後の軍用輸送機が首都カブールを去った。2001年9月11日の米同時テロを契機とした20年もの軍事的関与に幕を下ろした。米中央軍のケネス・マッケンジー司令官は米国時間30日午後、「アフガンからの撤収完了と、米国民や第三国の国民、脆弱(ぜいじゃく)な立場のアフガン人の退避の軍事ミッションの終了を発表する」と表明。「要員を乗せた最後の飛行機が現在、アフガン上空を通過中だ」と述べた。米国史上最長の戦争は、今月14日以降で12万3000人余りを急きょ退避させて終了した。イスラム主義勢力、タリバンのカブール進攻があったほか、先週にはカブールの空港周辺での自爆テロにより、米兵士13人が死亡した。
(出所:ブルームバーグ)
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現在の為替相場の戦略やスタンス

一部の報道によれば、今回の撤退において150人ほどの米国人と数千人という親米のアフガニスタン人がまだアフガニスタンに残っているといわれている。米国には「We must leave No One Behind」つまり米国と米軍は、「誰一人として取り残さない」という方針を長年にわたって貫いてきたことがよく知られているが、今回の撤退はそれと反する展開。一方、フィナンシャル・タイムズ紙の報道によれば、フランスはカブールがタリバンに占領される3カ月前の5月、フランス大使館やフランスの組織で働くアフガニスタン人とその家族を避難させ始めたとの事。この撤退の仕方の大きな相違から、米国のイニシアティブに対して主要国の信頼は大きく後退したといわれている。この米国に対する一種の不信感とジャクソンホールでのパウエルFRB議長のハト派的なコメントにより、米ドル金利は軟調に推移し、総じてドルは軟調に推移。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルに加え、ユーロ/米ドルも押し目買いスタンス(=ドル売り)で臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。