2021年9月14日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週、米ドル/円は三角持合いを一瞬下抜けし、期待したものの下がりきらず、今度は三角形がどんどん細くなる三角持合いの頂点に向かって上抜けしたものの110.50円にも届かず横抜けしてしまった。三角持合いを横抜けしてしまうとは、ここからどうなるのかさっぱりわからない状況だ。現在、各移動平均線も同じようなレベルにあり、煮詰まっているが、これは、そのうち動くためにエネルギーを溜めている状況という気もする。やはりこのところ、下値が堅くなってきていることは間違いないし、利上げは来年だとしても11月のテーパリングもおそらく行なわれると考えている。その方向性で行くと、もう一度ドルが上がる可能性はあるだろう。しかしそれでも112円を超えていく感じもしないし、年内は108.00~111.50円のレンジで止まってしまいそうだ。実際テーパリングが行なわれたときに米国株が崩れたりして資金が債権に流れ、そうなると債券価格が上昇し長期金利が下がってそれを背景にドルが売られる可能性も無きにしも非ずだと思っている。テーパリングする事でかえってドルが崩れるという流れも考えられるのだ。しばらくレンジ相場が続きそうだが、年内にレパトリもありそうなので、それを考えるとドルはあまり元気よく買えないという気がしている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは108.80~111.00円。戦略的には、110.50円の手前は一度売ってみたいと思っている。そして、110.55円を抜けたら一旦切って、111円手前でもう一度売り直したい。また振ったショートの利食いは109円割れまでは引っ張りたくないため、109.20円以下で買い戻しをし、その後108.80~109.00円レベルに来た際には、そこで改めてロングを取れるのかどうかを見定めたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。