2021年11月17日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週10日(水)の米消費者物価指数が31年ぶりの物価上昇率となったほか、昨日16日(火)の米小売売上高も市場予想を上回り、米消費意欲が旺盛であることが確認された。好調な米経済を背景に米ドル/円は115円台をうかがう展開だ。また、バイデン米大統領は31年ぶりの物価上昇を受けて「インフレ改善が私の最優先課題」と発言しており、FRBのボードメンバーもこれまでのようなハト派発言はできないだろう。本日17日(水)も複数の米当局者発言が予定されており、FRBの方向性を確認する意味で注目したい。加えてFRB議長の人事も大詰めを迎えている。パウエルFRB議長再任か、ブレイナードFRB理事昇格の2択となるが、ブレイナードFRB理事昇格の場合、現職のパウエルFRB議長よりハト派とされているため、ドル安材料となりそうだ。更に、ここまでマーケットとうまく対話をしてきたパウエルFRB議長が辞めることは不透明要素となるため、リスクオフの円買いも考えられる。バイデン米大統領は次期FRB議長人事の最終判断を4日以内に下すと発言しており、今週末に向けて関連ヘッドラインには神経質になりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ファンダメンタルズが強いことに疑いの余地はなく、FRBの早期利上げが見えてくる中、日銀とECBは出口が見えておらず、日米欧で金融政策の違いがはっきりとしている。戦略としては米ドル/円ロング、ユーロ/米ドルショートのポジションを持っているのであればキープ、ポジションがなければ押し目や、戻りを探すオペレーションだろう。短期であればラウンドナンバーが近く、115円付近で何度か逆張りができるかもしれないが、リバウンド狙いのドルショートは短期に留めておきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。