2022年1月11日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日10日(月)の米ドル/円は115.04円付近の安値を付けたが、そこから切り返している。本日11日(火)は、五十日のずれ込みと月曜祭日のずれ込み、正月明けの本邦輸入企業決済の第二週へのずれ込みなどがあるため、本日11日(火)の仲値は基本的に高くなっている。今週1週間、本邦輸入企業の決済レート基準は高いだろう。一方、本邦輸出企業は先週売れた分もあるので、あまり下を突っ込んで売ってこないことや、本邦輸入企業の動きはバンバン出てくるものの、本邦輸出企業は来週にずれ込むこと(輸出手形の買い取り分のドキュメンツが来週以降になるため)から、今週は高水準で仲値の不足が続くことが考えられる。先週7日(金)の米雇用統計に関してはNFPの事前予想がかなり高かったことから結果は半分になってしまった。しかし、失業率は大幅に改善し、平均時給も高かったことからFRBの利上げが後ろにずれ込むことはないと考えている。総じてみれば今回の雇用統計の内容は決して悪いわけではないため、米ドル/円が下がれば、金利差拡大の観点からも確実にドル買いが出てくるのではないだろうか。気になったのは、昨日10日(月)の株式市場に関してだ。一時的に500ドル以上崩れたと思うが、引けにかけてだいぶ戻した。しかし、利上げを背景とした株の崩れには注意が必要だろう。米国株が崩れると、日本株も崩れてしまい、全体的にリスクオフになった場合、円買いが出てくる。そうなると株から長期債に資金が流れて、米国の長期金利が下がる可能性がある。この辺りの動きには注意しておきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは114.50~116.50円。今週はレンジ内での揉み合いの中、下値固めをしてくると考えている。戦略的には114円ミドルから後半で買って、116円近辺で利食うイメージで、十分に引きつけてドルの買い場探しをしたいと考えている。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。