ニューヨーク市近郊は日帰りで楽しめるスキー場が多数ある。筆者も毎年スキーを楽しんでいるのだが、今シーズンはガソリン価格の高騰をはじめとする物価高で、リゾートでの遊興は少々控えめにしようかと思案している。なにしろ、後述の通りガソリン価格は1年前に比べて4割以上も上昇しているのだ。スキー仲間の友人たちも同じことを考えているようで、なかなかタイミングが合わない。もっとも、ウォール街の市場関係者のなかにはトレードで巨額の損失をだしてしまってスキーを楽しむどころではない人もいるようだが……。
ちなみに、EIA(米エネルギー情報局)によると2022年1月のニューヨーク市のレギュラーガソリンの平均小売価格は1ガロン当たり3.355ドルで、前年同月の2.372ドルから41.4%値上がりした。ニューヨーク市のガソリン価格は昨年の夏ごろに約7年ぶりに3ドルの節目を超えたのだが、近年見慣れていた2ドル台から大台が変わったことも心理的な手控えムードを助長しているようだ。このほか、最近は通販サイトのアマゾンのプライム会費値上げに加え、米ファストフード大手マクドナルドや米飲料大手コカ・コーラなども相次いで値上げに動いており、インフレが消費者心理に暗い影を落とす可能性も否定できない情勢だ。
今回は米株式市場で猛威を振るう「インフレ」について考察したい。