高所得者が離婚協議中に陥る「コンピ地獄」 明確な証拠をつかんでおくことが重要
(画像=PIXTA、ZUU online)

富裕層(高所得者を含む)にとって、「離婚」は相続と同じくらい自身のバランスシートを毀損する(資産を大きく減少させる)ライフイベントと言える。そのキーワードは「財産分与」と「婚姻費用」だ。それぞれどのようなリスクがあり、どのようなヘッジ手段があるのだろうか。

前編では「財産分与」について解説した。この後編では「婚姻費用」について紹介しよう。前編に引き続き、離婚・男女問題に特化して活動している小林芽未弁護士への取材をもとに「富裕層の離婚の資産毀損リスク」およびそのリスクヘッジ手段を考察する。

小林 芽未
小林 芽未(こばやし めみ)
S&M法律事務所 弁護士。2011年早稲田大学第二文部卒業。2014年日本大学大学院法務研究科卒業。2015年司法試験合格。司法修習終了後,都内の企業法務を扱う法律事務所で勤務弁護士として執務した後,東京神田にてS&M法律事務所を開所。大学時代に学んだ心理学を生かし,依頼者に寄り添いながら男女問題・離婚問題に注力した業務をおこなう。司法試験を目指す前は,不動産業等事業会社にて勤務していた。弁護士、宅地建物取引士、APCカウンセラー認定講座修了。著書に『ボーイズ&ガールズルール お金を守る男 浮気を許さない女』ビジネス教育出版社(2019年)

目次

  1. たとえ別居状態になっても、同レベルの生活を送れるお金を渡す必要あり
  2. 高所得であればあるほど婚姻費用の負担は大きくなる
  3. 離婚したくても離婚できない「コンピ地獄」
  4. 明確な証拠をつかんでおくことが重要
  5. 離婚に関する一定の知識と対策を知っておこう