吉田 謙太郎
吉田 謙太郎
宅建士・不動産投資家・ライター|筑波大学卒業後、大手不動産会社にて投資用不動産の売買および賃貸営業・投資家へのコンサルティング・自社メディアでの記事執筆などを行う。自身でも社会人1年目(22歳)から不動産投資をしており、横浜市・大阪市・神戸市に区分マンションを4戸運用中。保有資格は宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、3級ファイナンシャル・プランニング技能士。

もしも、自分が60坪の土地を所有していて、土地活用を検討する場合はどのような選択肢があるのでしょうか。人気の土地活用方法についてランキング形式で紹介し、60坪の土地をどのように有効活用できるのかを紹介します。また、ランキングにも入っている賃貸住宅経営を60坪の土地で行う場合の注意点も解説します。

目次

  1. 60坪の土地を活用する方法8選
  2. 初期費用を抑えたい場合の土地活用方法6選
  3. 人気ランキング上位の土地活用とは
  4. 人気の土地活用は60坪あればできるのか
  5. 60坪で賃貸経営する際の注意点
  6. 土地活用において信頼できるパートナーを探す方法3選
  7. 土地活用に関するよくある質問

60坪の土地を活用する方法8選

土地活用は60坪あれば十分?賃貸経営する際の注意点とは

60坪(約198平方メートル)の面積があれば、土地活用における取り得る選択肢が多いため、幅広い候補のなかから活用方法を選ぶことが可能です。活用したい土地の立地や周辺環境などに応じて最適なプランを組みましょう。ここでは、60坪の土地を活用する以下の8つの方法を紹介します。

  • 賃貸アパート・マンションを建てる
  • 賃貸戸建を建てる
  • 賃貸併用住宅を建てる
  • 駐車場として活用する
  • テナントビルを建てる
  • トランクルームを設置する
  • 土地のまま貸し出す
  • ソーラーパネルを設置して太陽光発電をする

1.賃貸アパート・マンションを建てる

賃貸アパート・マンションによる土地活用は「所有している土地に賃貸用のアパート・マンションを建築し入居者へ貸し出して家賃収入を得る」という方法です。60坪の土地の場合、一定程度の規模の賃貸アパート・マンションが建築できるため、十分に収益性のある土地活用が期待できるでしょう。賃貸アパート・マンションによる土地活用のメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。

メリットデメリット
・相談や依頼できる会社が多い
(不動産会社、ハウスメーカー、金融機関など)
・安定的な収益を得やすい
・相続税対策になる場合がある
・建築コストが高くなりやすい
・競合物件が増える可能性がある
・維持コストがかかる
(修繕費、管理委託料など)

賃貸アパート・マンションによる土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

まずはマンションのケースをシミュレーションします。

【物件規模】
・低層RCマンション
・4階建て
・単身者用間取り(1K、1R)
・全20室

【前提条件】
・1戸あたりの月額家賃10万円
・空室率:5%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):20%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:10万円×20部屋×12ヵ月×(100%-5%)=約2,280万円
・年間維持コスト:約2,280万円×20%=約456円
・年間収支:約2,280万円-約456万円=約1,824万円

次に、アパートのケースをシミュレーションします。

【物件規模】
・木造アパート
・2階建て
・単身者用間取り(1K、1R)
・全10室

【前提条件】
・1戸あたりの月額家賃8万円
・空室率:10%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):20%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:8万円×10部屋×12ヵ月×(100%-10%)=約864万円
・年間維持コスト:約864万円×20%=約172万8,000円
・年間収支:約864万円-約172万8,000円=約691万2,000円

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

2.賃貸戸建を建てる

賃貸戸建による土地活用は「所有している土地に賃貸用の戸建を建築し入居者へ貸し出して家賃収入を得る」という方法です。賃貸戸建による土地活用のメリット・デメリットは、以下のようなものがあります。

メリットデメリット
・相談や依頼できる相手が多い
(不動産会社、ハウスメーカー、金融機関など)
・管理がしやすい
・売却が比較的しやすい
・建築コストが高くなりやすい
・空室リスクの分散が難しい
・維持コストがかかる
(修繕費、管理委託料など)

賃貸戸建による土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションは、以下の通りです。

【物件規模】
・ファミリー用間取り(3LDKまたは4LDK)
・2棟

【前提条件】
・1棟あたりの月額家賃15万円
・空室率:10%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):20%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:15万円×2棟×12ヵ月×(100%-10%)=約324万円
・年間維持コスト:約324万円×20%=約64万8,000円
・年間収支:約324万円-約64万8,000円=約259万2,000円

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

3.賃貸併用住宅を建てる

賃貸併用住宅による土地活用は「自己居住用の建物を自宅として、賃貸住宅の部分から家賃収入を得る」という土地活用の方法です。賃貸併用住宅とは、自己居住用の建物に賃貸住宅が併設されている住宅をいいます。賃貸併用住宅による土地活用のメリット・デメリットは、それぞれ以に下の表の通りです。

メリットデメリット
・住宅ローンが使える可能性がある
(建物全体の50%以上(超)が自宅部分の場合)
・自宅のローンを家賃収入から返済できる
・物件の管理がしやすい
(自宅と併設されており、目の届くところに物件があるため)
・建物の建築コストが高くなりやすい
・入居者から直接問い合わせやクレームが来る場合がある
・売却が難しい
(自宅の売却でもあるため)

賃貸併用住宅による土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・3階建て
・1階が自宅、2~3階が賃貸住宅
・単身または2人用間取り(1LDK)
・賃貸住戸は全4部屋

【前提条件】
・1棟あたり月額家賃10万円
・空室率:10%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):20%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:10万円×4部屋×12ヵ月×(100%-10%)=約432万円
・年間維持コスト:約432万円×20%=約86万4,000円
・年間収支:約432万円-約86万4,000円=約345万6,000円

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

4.駐車場として活用する

土地を駐車場として活用する場合、以下いずれかの形態で行うことになります。

・コインパーキング:時間貸しで不特定多数の利用者に貸し出す
・月極駐車場:月間契約で特定の利用者に貸し出す

駐車場による土地活用のメリット・デメリットは、それぞれ以下の表の通りです。

メリットデメリット
・建物建築と比較して初期費用を抑えられる
・管理がしやすい
・コンバージョン(用途変更)しやすい
・高い収益性は見込みにくい
・相続税対策になりにくい
・相談できる相手が限られる

駐車場による土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・乗用車タイプが10区画

【前提条件】
・月額賃料:3万円/区画
・維持コスト(管理委託料):10%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間賃料収入:3万円×10区画×12ヵ月=約360万円
・年間維持コスト:約360万円×10%=約36万円
・年間収支:約360万円-約36万円=約324万円

5.テナントビルを建てる

テナントビルによる土地活用は「所有している土地に賃貸用のテナントビルを建築し事務所や店舗などとして貸し出すことで家賃収入を得る」という方法です。テナントビルによる土地活用のメリット・デメリットは、以下の表の通りです。

メリットデメリット
・収益性が高い(賃料水準が高いため)
・長期入居が見込める
・相続税対策になる場合がある
・建築コストが高くなりやすい
・テナント探しが難しい
・維持コストがかかる
(修繕費、管理委託料など)

テナントビルによる土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・6階建て
・計10室

【前提条件】
・1部屋あたり月額家賃30万円
・空室率:10%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):10%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:30万円×10部屋×12ヵ月×(100%-10%)=約3,240万円
・年間維持コスト:約3,240万円×10%=約324万円
・年間収支:約3,240万円-約324万円=約2,916万円

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

6.トランクルームを設置する

トランクルームによる土地活用は「所有する土地にトランクルーム(荷物置き場)を設置して貸し出すことで賃料収入を得る」という方法です。トランクルームによる土地活用のメリット・デメリットは、以下のようなものがあります。

メリットデメリット
・建物を建築するより初期費用を抑えやすい
・立地が良くなくても借り手を見つけやすい
・コンバージョン(用途変更)しやすい
・維持コストがかからない
・高い収益性は見込みにくい
・賃貸需要が予測しにくい
・相談できる相手が限られる

トランクルームによる土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・屋外型トランクルーム30台

【前提条件】
・トランクルーム事業者からの月額賃料:30万円
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:30万円×12ヵ月=約360万円
・年間維持コスト:なし(税金含まず)
・年間収支:約360万円

7.土地のまま貸し出す

土地のまま貸し出しする土地活用は「ビジネスしたい人などへ土地を貸し出すことで賃料収入を得る」という方法です。土地のまま貸し出しする主なメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。

メリットデメリット
・他の7つに比べて初期費用を最大限抑えられる
・他の7つに比べて維持費を最大限抑えられる
・管理がしやすい
・高い収益性は見込みにくい
・相続税対策になりにくい

土地のまま貸し出しした場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・土地として貸し出すため度外視

【前提条件】
・事業用定期借地権を設定する
・月額賃料:25万円

※事業用定期借地権とは、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする定期借地権のこと
※定期借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に原則として更新がされず、土地が返還される借地権のこと

【シミュレーション】
・年間賃料収入:25万円×12ヵ月=約300万円
・年間維持コスト:なし(税金含まず)
・年間収支:約300万円

8.ソーラーパネルを設置して太陽光発電をする

ソーラーパネルの設置による土地活用は「所有する土地にソーラーパネルを設置して太陽光発電を行い発電した電気を売る」という方法です。ソーラーパネルの設置による土地活用の主なメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。

メリットデメリット
・地方や人口の少ない土地でも事業ができる
・事件事故などの人災が起こりにくい
・設備のメンテナンスが比較的しやすい
・初期費用が大きくかかる
・売上が毎月変動し得る
・機材の故障リスクがある
・設置にあたり近隣住民から反対を受ける可能性がある

ソーラーパネルの設置による土地活用をする場合のおおよそのシミュレーションをしてみましょう。

【物件規模】
・設置面積:50坪
・年間発電量:1万9,000キロワットアワー

【前提条件】
・初期費用:約717万円
・年間売電収入:約61万円
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション(20年間運用した場合)】
・総売電収入:約61万円×20年=約1,220万円
・初期費用:約717万円
・総収支:約1,220万円-約717万円=約503万円
・年間利回り:約61万円÷約717万円×100=約8.5%

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

初期費用を抑えたい場合の土地活用方法6選

土地を活用するために賃貸アパートなどを建築したり、ソーラーパネルを設置したりするには、初期費用がかかります。「手もとの現金を残しておきたい」「融資を受けたくない」といった場合には、初期費用を抑えるために以下のような6つの方法を検討するもの選択肢の一つです。

  • 資材などの保管場所として貸し出す
  • 農園として貸し出す
  • コインパーキングとして貸し出す
  • バイク置き場・駐輪場として貸し出す
  • 自動販売機・コインロッカー・貸看板の設置場所として貸し出す
  • 精米所や食品の自動販売機などを設置する場所として貸し出す

1.資材などの保管場所として貸し出す

資材置き場とは、工事現場などの近くで建築用の資材を保管する場所のことです。開発が行われており、周辺で工事が進んでいる場所などでは資材置き場の需要が高いでしょう。資材置き場として土地活用を行えばアスファルトにしたり機器を設置したりするなど土地の整備が不要です。借り手が決まり次第、すぐに土地を貸し出せる点は大きなメリットといえます。

一方で注意点としては、以下の3つが挙げられます。

  • 長期的な安定収入が見込みにくい
  • 接道状況によって賃貸需要が大きく左右される
  • 騒音や振動が発生するため、近隣住民の反対を受ける可能性がある

資材置き場は、工事期間中だけの一時利用となることもあるため、住宅やオフィスのような長期的な安定収入は見込みにくいでしょう。また資材運搬用のトラックが出入りすることも考えると、道路に面していなかったり、間口が狭かったりする土地は、資材置き場には向かない可能性が高いといえそうです。

2.農園として貸し出す

農園とは、野菜・草花・果樹などの農作物を栽培するための土地のことです。近年は、週末に農作業をするために家族連れが郊外の農園を訪れることが増えてきています。都心からのアクセスが良い郊外などの土地は、農園として貸し出せる可能性があるでしょう。農園として土地活用をするメリットは、人口が少ない郊外の土地でも需要がある点です。

アパートやオフィスは、人口が少ない場所では賃貸需要が見込めず賃貸経営は難しいですが、農園であれば必ずしもそうではありません。一方で農園の開設にあたっては、農業委員会や自治体などへの届け出が必要な場合があります。手続面での手間や時間がかかってしまう場合がある点は、十分に認識しておきましょう。

3.コインパーキングとして貸し出す

コインパーキングとは、24時間利用できる無人の時間貸駐車場をいいます。コインパーキングは、有人駐車場や月極駐車場と異なり、空き状況や駐車時間の管理、利用者からの集金などを機器で行うため、最初に設備投資が必要になるのが一般的です。しかし近年では、看板や車止めなどの設備投資が一切不要なサービスも普及しています。

例えばパソコンやスマートフォンで必要事項(オーナーの名前や連絡先、駐車場にしたい土地の所在地や大きさなど)を登録するだけで簡単に駐車場経営をスタートできるといった具合です。初期費用をできるかぎり削減して駐車場経営をしたい方に適したサービスといえるでしょう。

4.バイク置き場・駐輪場として貸し出す

駅前やオフィスの近くにある土地を活用する際には、バイク置き場・駐輪場として貸し出すことも選択肢の一つです。バイク置き場・駐輪場は、駐車場と異なり接道状況や間口の影響を受けにくいため、変形地や奥まった場所にある土地でも始めやすいでしょう。もちろんラックを用意したり区画番号をペイントしたりといった初期費用はかかります。

しかし建物を建築することに比べると大きな費用にはならないため、初期費用を抑えられる点はメリットです。ただしバイク置き場・駐輪場は、1時間あたりの利用料は低いため、高い収益性は見込みにくい点はデメリットです。

5.自動販売機・コインロッカー・貸看板の設置場所として貸し出す

比較的人通りや交通量の多い場所にありながら変形地や接道状況が良くない土地の場合、自動販売機・コインロッカー・貸看板の設置場所として貸し出すことも選択肢の一つです。自動販売機は、土地のオーナー自らが機械を購入する方法もとれます。しかし機械の設置から集金・補充・空き缶回収まで運営会社にすべて委任すれば運営にかかる手間を大きく減らすことも可能です。

コインロッカー・貸看板は、設置完了後の管理がほとんどないため、長期的かつ安定的な利用が期待できるでしょう。いずれの方法においても建物のように経年劣化や大規模な修繕費用を気にする必要がない点は、大きなメリットです。

6.精米所や食品の自動販売機などを設置する場所として貸し出す

コロナ禍で飲食店の売上が大きく減少するなか、飲食店がその打開策の一つとして展開し始めたのが、食品(冷凍食品やお菓子など)の自動販売機です。有名ラーメン店が製麺会社と共同で冷凍のラーメンを自動販売機で販売するという事例も広がっており、全国で147ヵ所(2022年11月時点)に展開されている自動販売機も出てきています。

一般社団法人日本自動販売システム機械工業会が公表している「普及台数」のデータによると2021年12月末時点の食品自動販売機の台数は、3年ぶりに前の年を上回りました。食品の自動販売機の設置場所だけでなく精米所として利用するニーズも同様に期待できます。住宅街やスーパーの近くにあり、視認性が高い土地の場合は、精米所や食品の自動販売機などを設置する場所のニーズが底堅いでしょう。

人気ランキング上位の土地活用とは

株式会社NTTデータ・スマートソーシングは、「HOME4U土地活用」のユーザーを対象に、土地活用についてのアンケートを行いました。
ユーザーが検討している土地活用の結果は以下の通りです。

この結果からほとんどの回答者がアパートやマンション・賃貸併用住宅を選択し、次いで駐車場・戸建て賃貸を検討していることが分かります。これらについて詳しく見ていきましょう。

アパート・マンション・賃貸併用住宅

土地活用法として最も人気があるアパートやマンション・賃貸併用住宅のメリットやデメリットについて紹介します。

・アパート・マンション・賃貸併用住宅のメリット

  1. 安定した収入を期待できる
    賃貸経営は空室が発生しなければ、長期的に安定した収入を得られます。年金代わりに開始する人もいる所以です。
    特に部屋数が多いマンション経営ができるのであれば高収入が期待できます。立地が良いエリアであれば、空室が出ても直ぐ埋まるでしょう。

  2. 税制面で有利
    賃貸経営は、税制面においても多くのメリットを享受できます。
    不動産所得が赤字になったとしても、所得税などと相殺(損益通算)できるので課税所得を抑えることができます。
    また建物が建っていると、更地の場合と比べ固定資産税を最大1/6・都市計画税を最大1/3に軽減できます。
    相続税においても、マンションやアパートの建っている土地(貸家建付地)は課税評価額が低くなるので、現金などで保有している場合と比べ納税額を抑えられます。

  3. 生命保険代わりになる
    ローンで物件を購入する場合には、通常は団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険に加入すれば、ローン借り入れ中にオーナーに万が一のことが起きた場合、ローンの残高は保険会社が肩代わりしてくれます。
    残ったマンションやアパートは、遺族が相続し従来通り家賃収入を得ることができます。

  4. 不労所得を得られる
    信頼できる不動産管理会社を見つけられれば、運営や管理をほとんど任せられます。オーナーは、ほとんど何もしなくても毎月家賃収入という不労所得を得られます。

  5. インフレ対策になる
    インフレになれば、物価が上昇します。それと連動して不動産価値や家賃が上昇する可能性があります。しかし、修繕費なども当初の計画より上昇する可能性があるので注意が必要です。

  6. 賃貸併用住宅は住宅ローンが使える場合もある
    賃貸併用住宅の場合、ほとんどの金融機関で自宅部分が50%以上、床面積が50平方メートル以上であれば、住宅ローンが利用できます。
    投資ローンに比べて金利の低い住宅ローンを利用できるのは大きなメリットです。

・アパート・マンション・賃貸併用住宅のデメリット

  1. 初期費用が多くかかる
    ほかの土地活用に比べて多くの初期費用が必要になります。
    建物価格は建物の規模や構造によって大きく異なります。もちろん、ほとんどの方がローンを組みますが、利回りを少しでもよくするためには頭金が必要です。
    頭金の相場は物件価格の10~30%です。

  2. 建築期間が長くなる
    賃貸併用住宅であれば、それほど建築期間は長くありません。しかしマンション建築となると、5階建てのマンションで、建築期間が半年~1年程度かかります。検討時期も含めると、実際にスタートできるまでの長さはデメリットといえます。

駐車場

駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングがあります。管理の方法は「自己運営」・管理会社に管理を依頼する「管理委託」・土地を管理会社に貸し固定賃料を受けとる「一括借り上げ方式」があります。

駐車場経営のメリット・デメリットについて見ていきます。

・駐車場のメリット

  1. 建築費用が不要なので、少額で始められる
  2. 準備期間が短いので、早期に始められる
  3. アパートやマンションなど、のちに他の使い方に転用しやすい
  4. 形の悪い土地・狭い土地でも経営できる
  5. 固定資産税や都市計画税、所得税や住民税の節税効果がある

・駐車場のデメリット

  1. 立地条件が悪いと駐車場の稼働率が低下する
  2. マンションやアパートなどと比べると収益性は低下する
  3. 一般的には平面だけの展開なので効率性に劣る
  4. マンションやアパートなどと比べ税制メリットが少ない

戸建て賃貸

一戸建ての物件を貸して、家賃収入を得る方法で、次のようなメリット・デメリットがあります。

・戸建て賃貸のメリット

  1. 閑静な住宅地を好む人も多く、マンションやアパートほど立地に左右されない
  2. 一般的に入居期間は長期にわたるので、空室リスクが少なく安定収入を得られる
  3. マンションやアパートと比べると、建築費を抑えられるので利回りが良い
  4. マンションやアパートと同様に節税効果がある

・戸建て賃貸のデメリット

  1. マンションやアパートほどの需要がないので、空室になると長期になる恐れがある
  2. 一般的に入居期間は長期になるので、部屋は傷みがちでメンテナンス費用がかかる

人気の土地活用は60坪あればできるのか

これまで紹介した土地活用方法は、60坪の広さで検討できるのでしょうか。

アパート・マンション・賃貸併用住宅

アパートは60坪程度あれば、問題なく建築が可能です。部屋数は建築会社で異なりますが8部屋程度が見込めます。ファミリー向けよりも単身者向けの間取りのほうが、部屋数を多く作れるので、坪あたりの賃料単価が高くなります。60坪程度のアパートは住宅街でよく見かけます。イメージしやすいのはハウスメーカーが提供する賃貸物件です。

土地活用は60坪あれば十分?賃貸経営する際の注意点とは

マンションに関しても、60坪で建築は可能です。アパートより建築費は上がりますが、収益性が見込めます。部屋数は階数などで異なりますが15部屋程度見込めるでしょう。施工会社に実績があり、空間を利用するノウハウがあれば20部屋程度作れることもあります。

土地活用は60坪あれば十分?賃貸経営する際の注意点とは
※画像提供元:株式会社LeTech

賃貸併用住宅は自宅を30坪とし、残り30坪を賃貸住宅にできます。5坪程度のワンルームであれば、6部屋作ることが可能です。

駐車場

駐車場は、車1台分のスペースがあれば運用できます。国土交通省の「駐車場設計・施工指針」によると、普通車だと幅が2.5メートル・長さが6.0メートル必要です。したがって1台分では4.5坪程度、2台分なら9坪程度必要です。60坪の土地であれば、土地の形状にもよりますが10台程度止めることは可能です。

車両長さ(メートル)幅員(メートル)
軽自動車3.62.0
小型乗用車5.02.3
普通乗用車6.02.5
小型貨物車7.73.0

戸建て賃貸

戸建て賃貸は、狭い土地でも建築が可能です。一般的には30坪程度、場合によっては20坪程度でも可能なので、アパートやマンションを建てられない土地の有効な活用法といえるでしょう。またアパートが多い土地でも、戸建て賃貸にすれば差別化を図れるので需要があります。

60坪で賃貸経営する際の注意点

土地活用は60坪あれば十分?賃貸経営する際の注意点とは

最も人気のある賃貸経営を60坪程度の土地で行う際は、どのようなことに注意が必要なのでしょうか。

建築基準法を確認する

土地活用する際には、建築基準法の建ぺい率と容積率などの項目について確認しておく必要があります。

・建ぺい率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。建ぺい率は地域や用途などにより異なり、各市町村役場の都市計画課で調べられます。例えば100坪の土地の建ぺい率が60%の場合、建築可能な面積は60坪ということになります。

・容積率
容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。容積率も同様に各市町村役場で調べることが可能です。例えば100坪の土地で容積率が200%の場合には、延べ床面積が200坪の建物を建てることが可能です。容積率が大きければ、高い建物を建てることが可能になるので、マンション建築の重要な指標になります。

・用途地域による用途制限
用途地域とは、計画的な市街地形成のために、用途によって分けられた全13種類の地域のことです。住宅街に大規模な工場や商業施設などが隣接していると日あたりや騒音、空気汚染などの問題が生じる可能性があるため、用途地域によって建築物の用途に制限がかけられている場合があります。そのためアパートを建築したい場合は、所有している土地に制限がないか確認することが必要です。

指定された用途地域によっては、アパートが建築できない可能性がある点は押さえておきましょう。

・前面道路の状況
前面道路とは、その土地が面している道路のことで、前面道路の幅や前面道路との接道状況によって建物を建築する際に制限を受けることがあります。建築基準法によって、以下のような建築制限が設けられているため、前面道路の幅や前面道路との接道状況は事前に確認する必要があります。

・前面道路に2メートル以上接道していない土地には建物を建築することができない
・前面道路の幅が4メートル(地域によっては6メートル)未満である場合は、道路境界線を敷地側へ後退させる(セットバック)必要がある

セットバックした部分には、建物の建築ができないため、建物を建築できる面積が狭くなるということです。

・防火規制の有無
防火規制とは、災害時の安全性を確保するために一定の地域において課される建物の構造などへの規制のことです。「防火地域」「準防火地域」において建物を建築する場合は、以下のような建築上の規制を受けることがあります。

・建物を耐火建築物または準耐火建築物にする
・建物を部分的に防火構造とする など

上記のような規制のある地域においては、建築コストが割高になる場合があるため、注意が必要です。

十分な立地調査を行う

例えば、駅から歩いて10分以内の通勤通学に便利な立地であれば、単身者向けのアパートやマンションが良いでしょう。静かな環境で子育てに良いと思われる立地であれば、ファミリー向けのマンションや戸建て賃貸が合っているでしょう。

また病院や商業施設などが近辺にあれば、賃貸経営より駐車場に向いている可能性があります。このように立地によって土地活用法は異なってきますので、あらかじめじっくりと立地調査を行わなければなりません。

立地調査は専門性を有するので、プロに相談することをおすすめします。

土地活用において信頼できるパートナーを探す方法3選

土地活用には、高度な専門知識や状況に応じた市況トレンドに関する深い理解などが求められます。また建物を建てる場合は、数千万円規模の初期費用がかかる場合があるため、誰の意見やアドバイスを聞いて意思決定をするかが土地活用の成否を大きく左右するでしょう。ここでは、土地活用に関する重大な意思決定をするにあたって信頼できるパートナーを探す際に有効な方法を3つ紹介します。

実績やユーザーからの口コミを参照する

土地活用のサポートを依頼するにあたっては、その会社がこれまでの土地活用でどのぐらいのサポート件数があるのかなど実績の確認が大切となります。また実際にその会社を利用したユーザーの評価も重要な判断材料の一つです。幅広い知見と経験を持っており、ユーザーの満足度が高い会社へ依頼できれば土地活用の成功率を上げることが期待できるでしょう。

複数の会社に相談して比較する

できるかぎり多くの選択肢から比較して選べるように複数の会社の話を聞いてみましょう。なぜなら初めての土地活用の場合、最初に相談した会社が自分にとって最善のパートナーと断定できないからです。費用面や専門知識の豊富さ、アフターサポートの対応品質といった各要素の良し悪しは、複数の会社から実際に話を聞きたり、見積もりをもらったりすることで初めて分かることも少なくありません。

空間を活かすノウハウを持っている業者を選択する

土地をうまく生かすためには、ノウハウを持っている業者を選ばなければなりません。60坪の土地は、実績豊富な業者であれば収益性の見込めるマンション建築が可能です。コンパクトマンションの建築実績が豊富など、専門知識を持つパートナー企業を選ぶようにしましょう。

土地活用に関するよくある質問

Q.60坪でできる人気の土地活用は?

60坪の土地でできる人気の土地活用には、以下の8つがあります。

  • 賃貸アパート・マンションを建てる
  • 賃貸戸建を建てる
  • 賃貸併用住宅を建てる
  • 駐車場として活用する
  • テナントビルを建てる
  • トランクルームを設置する
  • 土地のまま貸し出す
  • ソーラーパネルを設置して太陽光発電をする

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、土地の立地条件やオーナーの状況(土地活用に割ける時間やお金など)に応じて選びましょう。

Q.60坪で賃貸経営を行う際の注意点は?

60坪の土地で賃貸経営を行う際には、以下の2つの点に注意しましょう。

  • 建築基準法に抵触しないかを確認する
  • 十分な立地調査を行う

建築基準法の観点では、建ぺい率、容積率、用途地域、前面道路、防火規制など多岐にわたる確認が必要です。そのためできるだけ信頼できるパートナーの意見を聞くことが大切となります。最適な土地活用は、その土地の周辺環境によって決まるため、土地活用のプランを考えるにあたっては実際に現地に行って周辺環境をよく確認しましょう。

Q.60坪でマンション経営を行うと収益はどれくらいか?

60坪の土地でマンション経営をする場合、おおよその収益は以下のシミュレーションの通りです。

【物件規模】
・低層RCマンション
・4階建て
・単身者用間取り(1K、1R)
・全20室

【前提条件】
・1戸あたりの月額家賃10万円
・空室率:5%
・維持コスト(修繕費、管理委託料など):20%
※融資を受ける場合のコストは融資条件(金利、返済期間等)によって異なるため、考慮しないものとする

【シミュレーション】
・年間家賃収入:10万円×20部屋×12ヵ月×(100%-5%)=約2,280万円
・年間維持コスト:約2,280万円×20%=約456円
・年間収支:約2,280万円-約456万円=約1,824万円

金融機関でローンを組む場合、ローンの返済と金利の支払いが追加でかかるという点は認識しておきましょう。

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(提供:YANUSY

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