本記事は、崎本大海氏の著書『もうお金で悩まない』(扶桑社)の中から一部を抜粋・編集しています

なぜ俳優の僕が「お金の本」を書くことになったのか?

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(画像=PIXTA)

はじめまして、崎本大海と申します。

幼少期から俳優として活動してきたので、ドラマや映画で僕の顔や名前をご存じの方もいるかもしれません。

なんで俳優がお金の本を書いてるの?

そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

俳優として活動してきた僕がなぜお金の本を書くことにしたのか。その最大の理由は、僕自身がお金に関して無知だったし、知ろうともしなかった。無計画に過ごしたせいで、本当に苦労したからです。そうした経験から「どんなにお金を稼いでもお金の知識がないと、人生を楽しく過ごすことができない。だからこそ、より多くの人がお金に関する知識を学ぶことが必要だ」という強い思いからです。

僕がどうしてそう考えるようになったのか。僕の自己紹介をかねて、まずは簡単に説明させてください。

僕の俳優としてのキャリアがスタートしたのは、6歳のときです。

母の勧めで児童劇団に所属して子役としてデビューしてから、僕は30年近くにわたって、俳優としてドラマや映画、CMといった、いろんな作品に出演する機会をいただきました。演技の世界はとても刺激的で、超一流の方にお会いする機会にも恵まれました。

特に記憶に残っているのは、大河ドラマ『徳川慶喜』(1998年放送)でお会いした本木雅弘さんの存在です。本木さんが主演を務められた同作で、僕は幼少期の慶喜を演じることになりました。

撮影初日、本木さんの楽屋に僕が挨拶にいくと、まだ子供だった僕に本木さんが正座して、「徳川慶喜役の本木雅弘です」としっかりと目を見て挨拶をしてくれたのです。

このとき「一流の人は相手が誰であっても、きちんと挨拶をするものなのだ」と感動しました。以来、どんな相手に対しても、まず挨拶だけは必ずするように心がけています。

慶應義塾大学に進学し、広がった世界

子役からスタートしていたので、演技の世界は僕にとってごく当たり前でした。そのため中高生の頃は特に将来の目標も決めないまま、中高一貫の進学校に通っていたこともあり、「将来は何か別の仕事についてもいいかもしれない」とぼんやり思っていました。

本格的に俳優を目指そうと思ったのは、18歳の頃です。NHKの連続テレビ小説『わかば』に出演したことをきっかけに、俳優としての仕事のおもしろさを再確認し、「俳優を続けよう」と決意します。

ただ、俳優の仕事をするにしても勉強は続けたい。そんな思いから、慶應義塾大学法学部へと進学しました。人見知りするタイプだったので、入学1年目はキラキラした同級生たちにも積極的に話しかけることができず、構内のベンチで一人、本を読んでいるような地味な学生でした。2年目からはバーテンダーサークルに加入し、カクテル好きの先輩たちに出会い、俳優の仕事の合間を縫って、バーでアルバイトをするようになりました。

大学生になって世界が広がりつつあったその頃、仕事を通じた新たな出会いもありました。小栗旬さんや生田斗真さん、水嶋ヒロさん、岡田将生さん、溝端淳平さんなど錚々たる若手俳優が出演する『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』というドラマへの出演がきっかけで、同世代の若手俳優たちとのつながりが増えていったのです。

この作品を通じて知り合った仲間たちと一緒に夜にバーに行ってみたり、コンパをしてみたり、お金持ちのパーティに呼ばれたり。華やかな世界を垣間見ることになりました。しかし、同時に完全に舞い上がってしまった自分がいました。普通ではないことが芸能界では普通で、自分の身の丈がどうなのか、自分の頭で考えることを放棄してしまっていたのです。また、たしかに収入は増えたものの、私生活が相当だらしなくなってしまい、心配してくれる母の忠告にも耳を貸さなくなっていました。

「お金」と向き合えていなかった過去

僕自身が借金をして窮地に陥った理由はきわめて明確です。

「お金を計画的に使って、貯める」

このごくごく当たり前のことができなかったからです。

さらにいえば、税金や年金といった社会の仕組みについて、何も学ぼうという姿勢がありませんでした。

「毎年、前年に稼いだ所得額に応じて、税金を納めなければならない」という事実さえ知らなかったのです。

しかし、少なくとも僕の世代では自分から積極的に勉強しない限り、お金について学校や家庭で学ぶ機会はほとんどありませんでした。お金の知識について知らないのは僕だけではないのです。

ならば、もっと多くの人にお金についての知識を広めることができれば、きっとより多くの人が幸せになれるのではないか。

そう考えたことがきっかけで、現在は俳優としての活動を続ける一方で、資産運用アドバイザーとしてのキャリアを少しずつ積み重ねています。クライアントには、かつて芸能界でともに過ごした友人たちも少なくありません。彼らの人生設計にお金の面から携わり、サポートできることは僕にとってこの上ない喜びです。

僕自身、まだまだお金については勉強中です。世の中の資産運用のプロたちには、まだ知識が及ばない部分もあるでしょう。

ただ、「お金の重要性」や「お金の扱いを間違えることの恐怖」については、人一倍経験していると自負しています。自分自身がかつて「お金」と向き合えていなかったがゆえに痛い目を見た僕だからこそ、声を大にしてお金の重要性をより多くの人に伝えたいと考えています。

どんなに小さな一歩であったとしても、あなたの「お金」への向き合い方を考えるきっかけになってくれることを心から祈っています。

もうお金で悩まない
崎本大海(さきもと・ひろみ)
1986年、東京都生まれ。6歳から子役として活動する。海城中学校・高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。主な出演作に連続テレビ小説『わかば』『闇金ウシジマくん』『科捜研の女』など。『クイズ!ヘキサゴンII』では「イケメン秀才キャラ」として活躍。2021年には2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得。現在は俳優業と並行して、資産運用アドバイザーとして金融に関する情報発信も積極的に行う。

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