この記事は2022年6月21日に「月刊暗号資産」で公開された「米国初、下落相場に対応したインバース型ビットコイン先物ETFが上場」を一部編集し、転載したものです。
上場投資信託(ETF)を手掛ける米プロシェアーズ(ProShares)は21日、米国初のインバース型ビットコイン先物ETF(NYSE Ticker:BITI)を販売開始したことを発表した。このETFはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する。
投資家は事実上、ビットコインが値下がりすることで利益を得ることが可能となる。
BITIはビットコインの先物を空売りする上場投資信託となる。
インバース型ETFでは、対象となる指数が下落することで利益が発生する。例として、対象となる指標が5%下落した場合、5%プラスになるような仕組みだ。
プロシェアーズは今年4月、すでに下落相場を形成していた市況を背景に、米証券取引委員会(SEC)に対してインバース型ビットコイン先物ETFを申請していた。20日時点で、ビットコインは年初来から約51%、イーサリアムは66%、それぞれ価格を落としている。投資家はビットコイン価格が下落することで利益を得られるため、リスクヘッジ手段として活用することができる。
プロシェアーズはBITIについて、多くの投資家に対し、ビットコインのショートポジションをコストとストレスを軽減させて所得することができるよう設計されていると説明する。
同社のマイケル・L・サピア(Michael L Sapie)CEOは、「最近の傾向としてビットコインは値下がりし続ける可能性がある。BITIはビットコインが値下がりすると考えている投資家に利益を与える機会、あるいは現在保有する暗号資産のヘッジとしても活用することができる。投資家は従来の証券口座で今回のETFを購入することで、ビットコインのショートエクスポージャーを簡便に得ることができるようになる」と述べた。
BITIはS&P CME Bitcoin Futures Indexのパフォーマンスのインバースに連携する設計となっている。
プロシェアーズの他、DirexionとAXS Investmentsも同時期にインバース型のビットコイン先物ETFの申請をしている。しかし、SECが「レバレッジのエクスポージャーは好ましくない」という方針を示していたため、申請を取り下げていた。(提供:月刊暗号資産)