日産エクストレイル 価格▷319万8,800~504万6,800円 試乗記

待ってたぞ!新型 日産エクストレイル、新しさと走り、一挙解説
日産エクストレイルX-e-4ORCE(3列シート) 価格:393万300円 新型はS/X/Gの3グレードを基本にスペシャルモデルのエクストリーマーXとオーテック系をラインアップ パワーユニットは全車が新世代e-POWER

「タフギア」が上質をキーワードに大変身。新型は全車e-POWER

日産きってのベストセラーSUV、エクストレイルが第4世代に進化した。エクストレイルは、「タフギア」が伝統キャラクター。スクエアフォルムの1st/2ndモデルはいまでも人気が高い。ガラリと印象を変えた3rdモデルも販売は好調で、定評のタフさと、「アドバンストテック」を掲げ、先進的な要素を備えた点が高く評価された。

最新の4thモデルは、タフさと先進性に加え、上質を示す「リファインド」をキーワードに開発された戦略モデルだ。

パワートレーンは全車e-POWERとなり、発電用エンジンには世界初のVC(可変圧縮比)1.5リッター直3ターボを採用。駆動用モーターの高出力化で、走りの実力を大幅アップした。駆動方式はFFと4WD。4WDは前後モーターと左右ブレーキを統合制御するe-4ORCEである。従来モデルと同様に3列シート仕様もラインアップする。

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新型の足回りはストラット/マルチリンク セッティングはしなやか
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ボディサイドのクラッディングがダイナミックな印象をアピール ルーフエンドスポイラーは大型形状 巧みなカラーリングが特徴
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フロントマスクは強い存在感を主張する造形 グレードに応じグリル周囲の仕上げが異なる
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発電用1.5リッター直3ターボ(144ps)と駆動用モーター(フロント204ps/リア136ps)で構成 エンジンは可変圧縮比仕様
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ライトはメインビームとポジション灯を上下に分けたデザイン 上級グレードはフルLED仕様
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メイングレードのXは235/60R18+アルミ標準 最低地上高185mm(4WD)

新型は上質で広い。走りの実力が大幅アップ

実車と対面して、ずいぶん立派になったと感じた。新型は都会的でありながら1st/2ndモデルのタフギアの香りもする。ボディサイズは全長×全幅×全高4,660×1,840×1,720mm。だいぶサイズアップしたのかと思いきや、旧型(同4,690×1,820×1,740mm)と比べ、全長が短く、全高も低いと知って驚いた。

室内はクラストップの広さ。後席のヘッドクリアランスは拡大しており居住性は優秀。室内長は2列シートで1,980mm、3列シートは2,530㎜。3列シートは4WDに設定される。

インテリアの質感も大幅に引き上げられていた。新型のキーワード、「上質」を見た目にも体現している。滑らかな触感を持つ新開発の人工皮革、テーラーフィットや、最上級グレードにはキルティング柄でタンカラーのナッパレザーシートを用意する。

インパネは、さまざまな情報を見やすく表示できる12.3インチのTFTメーターに加えて、大きなヘッドアップディスプレイを設定。充実機能を備えた12.3インチのセンターディスプレイともども、先進的な運転環境が構築されている。プロパイロットにはナビリンクなどの新機能が加えられた。

メカニズムも意欲的だ。新型は、まさしく全面刷新。ルノーと三菱とのアライアンスにより共同開発したプラットフォームを用い、e-4ORCEと新しいe-POWERによるパワートレーンを搭載。圧倒的な走りと快適性を目指した。

乗り込んでドアを閉じるときの音は重厚。いかにもボディ剛性が高く、静粛性にも優れている印象だ。実際にもまさしくそのとおり。エンジンが3気筒ということで危惧していたのだが、静かで滑らかな走りに驚いた。よほどアクセルを踏み込まないかぎり騒々しく感じることはない。回転フィールは3気筒を意識させない仕上がりになっている。

これには新たに採用したVCターボがプラスに作用している。低回転域からトルクを出せるようになった効果だ。このクラスのSUVなので、車両重量は重め。従来のユニットではパワー不足と、音や振動がそれなりに出てしまうシーンでも、新型は力強く、そして静粛だ。

結果的に、アクセルをあまり踏み込まなくても気持ちよく走れる。上質で速いパフォーマンスは、新型の大きな個性といっていい。WLTCモード燃費も18.4km/リッター(4WD/2列シート)と優れている。

足まわりの仕上がりも上々だ。ストローク感があり、しなやかによく動きながらも姿勢をフラットに保つ。ハンドリングもいい。ステアリング操作に対する反応が素直で応答遅れも小さい。無駄な挙動が巧みに抑え込まれている点は特筆できる。レーンチェンジでは、スッとおだやかに収束する。

走りのよさには、e-4ORCEによる4輪個別の駆動力およびブレーキ制御が効いている。旧型もインテリジェントトレースコントロールなど同様の制御を行っていたが、新型は統合制御している点が大きく異なる。

しかも基本ポテンシャルが上がったことで従来ほど強く制御しなくても済むようになったという。それが燃費を含め、すべての完成度アップに寄与しているそうだ。

新型は、テストコースを軽く走っただけでも進化がうかがえた。今後、公道はもちろん、より本領を発揮できるオフロードや雪道を走る機会を楽しみにしている。

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インテリアは上質で高機能なデザイン 各部ソフトパッド仕上げ ハイマウント形状のセンターコンソールがパーソナルな印象を強調 Xのナビはセットop(36万3,000~41万5,800円)
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シートは大型形状 室内空間はクラストップ級 2列目は前後260mmのスライド可能 3列目シートは4WD車に設定 室内長2,530mm(2列仕様1,980mm)
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メーターは12.3インチフル液晶 多彩な表示モードが選べる高機能設計 視認性に優れる 上級グレードは大画面ヘッドアップディスプレイも標準装備
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走行セレクターはシンプル形状 Pレンジはボタン操作式 セレクター近くにeペダルスイッチを配置
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4WDの走行モードは5種設定 操作性に優れたダイヤル式
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液晶ルームミラーはセットop 夜間もクリアな映像を提供
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センターディスプレイは大画面12.3インチ インテリジェントアラウンドビューモニターを設定
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3列目は左右独立床下収納式 2列目使用時で9.5インチゴルフバッグ4個積める広さ 2/3列目をたたむと車中泊にも対応 2列シート車は1,500W電源を装着できる
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リアゲートは開口幅がワイドな大型形状 電動開閉機能は上級グレードに標準 荷室地上高は適度 積み下ろし性は高水準
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エクストレイル・オーテックe-4ORCE(2列シート) 価格:446万7,100円 オーテックは「プレミアムスポーティ」を追求 メタル調フィニッシャー/20インチアルミ&ミシュランタイヤ/ルーフレール/キルティング本革シートを特別装備
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エクストレイルX-e-4ORCEエクストリーマーX(2列シート) 価格:412万9,400円 エクストリーマーXは「タフギア」イメージを強調したアクティブ仕様 専用グリル&プロテクター/専用18インチアルミ/ブラックルーフ/防水シートを特別装備
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Writer:岡本幸一郎・Photo:小久保昭彦

(提供:CAR and DRIVER