日産GT-Rニスモ 価格:6DCT 2,420万円(2022年モデル受注終了) 試乗記

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
GTーRニスモ ニスモはGTーRのポテンシャルを極限まで高めたスペシャル版 写真は各部が改良された2020年モデル 2022年モデルの受注は終了

最高出力600ps。シャシーはサーキットスペック

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
ニスモのルーフ/ボンネット/フロントフェンダーはカーボン製 各部の軽量化でコーナリング性能を向上

GT-Rニスモは、現行R35型の最強版。GT-Rのスポーツポテンシャルを極限まで磨き込んだスペシャルモデルだ。
エンジンは、一段とリニアかつレスポンシブな特性を目指し専用ターボを採用。それに合わせてエンジンと6速DCTの制御が見直されている。エンジンスペックは600ps/652Nm。標準モデル比30ps/15Nmパワフルだ。
シャシーはサーキットスペック。軽量高剛性のアルミホイール、強力な制動力を生むカーボンセラミックブレーキを導入。サスペンション設定は専用になる。車体回りではルーフ/ボンネット/フロントフェンダーを軽量カーボン製に変更。さらにレカロ製バケットシートを装着する。

大きな期待を抱いて走り出す。試乗の舞台はドイツのベルリンだ。一般道では、スーパーモデルにもかかわらず乗り心地のよさにびっくり。短いストロークながら軽やかな足さばきとしなやかさは見事である。初期型の標準車よりもすべてが優しい。アウトバーンでもその印象は変わらない。直進安定性と微舵の正確性、さらには空力デバイスのアシストで、250km/h以上の超高速域でもステアリングに軽く手を添えているだけでOKだった。

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
3,799cc・V6DOHC24Vツインターボ(VR38DDTT型) 600ps/6,800rpm 652Nm/3,600〜5,600rpm 標準車比30ps/15Nmパワフル
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
足元はハイグリップ仕様の20インチタイヤと軽量スポーク形状鍛造アルミ ブレーキはカーボンセラミック
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
フロントフェンダーのアウトレットはレース経験を活かしたアイテム
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
リアスポイラーはウイング形状 高速域で有効なダウンフォースを発生

ニスモはGT-Rの「ファイナルアンサー」かもしれない!

サーキットはニスモの主戦場。驚いたのは、車両重量が1.7トンを超えるにもかかわらず、ひと回り軽量でコンパクトなクルマのような身のこなしを披露したこと。ステアリングを切れば、素直にノーズがインに入る。しかもアンダーステアの量は確実に少なく、S字のような切り返しでも上屋がグラッと動く心配はない。
カーボンセラミックブレーキも最高だった。絶対的ともいえる制動Gや優れたコントロール性はもちろん、何周走ってもまったく変化のないタッチとフィーリングにほれぼれした。

エンジンはアクセル操作に対する応答性、滑らかなトルクの立ち上がり、そしてトップエンドまで一気に吹き上がるレスポンスの鋭さを実感。圧倒的にパワフルなだけでなく、応答性もいい。6速DCTはRモードのシフト制御が素晴らしい。Dレンジのままでサーキットでも最適なギアをセレクトしてくれる。下手にマニュアルシフトするより速く走れる。

ニスモは速さのレベルアップだけでなく、その性能を誰でも楽に安心して引き出せる懐の深さを手に入れていた。GT-Rのコンセプトは「究極のドライビングプレジャーの追求」であり、ニスモはその頂点にある。長きにわたり進化と熟成を行ってきたGT-Rの「ファイナルアンサー」かもしれない。

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
ニスモのステアリングホイールとインパネはアルカンターラ仕上げ ナビやオートACなどGT装備も充実 トランスミッションは6速DCT
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
シートはカーボンシェルを採用したレカロ製バケット 各部の作りはレーシーで上質 ハンドリングは自在感覚
アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
タコメーターの文字盤はレッドカラー 回すほど圧倒的なパワーが炸裂

日産GT-Rニスモ 主要諸元

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!

グレード=ニスモ(2022年モデル受注終了)
価格=6DCT 2,420万円
全長×全幅×全高=4,690×1,895×1,370mm
ホイールベース=2,780kg
トレッド=フロント:1,600×リア:1,600mm
車重=1,720kg
エンジン=3,799cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=441kW(600ps)/6,800rpm
最大トルク=652Nm(66.5kgm)/3,600〜5,600rpm
WLTCモード燃費=未公表
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/40ZRF20/リア:285/35ZRF20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.7m
※価格を除き、数値は欧州仕様

アウトバーンとサーキットを激走! 究極のGT-R、ニスモはやっぱり凄かった!
標準GTーRはピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション・エンジニアードbyニスモを設定 各部の熟成で現在でも世界屈指のスポーツ性能を誇る 写真は限定車のプレミアムエディションTースペック
Writer:山本シンヤ Photo:NISSAN+大西 靖

(提供:CAR and DRIVER