本記事は、新井 和宏氏の著書『投資がうまくいく人の当たり前』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
うまくいく人は「動機」重視。
うまくいかない人は「結果」重視
「推し」がわかると、お金の使い方が変わる
個別株に投資する際の推し探しは、「自分探し」でもあります。
自分は何に共感し、どんな分野に関心を持ち、どの社会課題に心が動くのか。共感や願いを込めて投資先を選ぶ過程には、その人自身の価値観が表われます。「なぜこの会社を応援したいのか」「何に心を動かされるのか」と自分自答することで、自分が何を大切にして生きているのかが少しずつ見えてきます。
たとえば「環境に配慮した社会にしたい」と考える人がいるとします。最初は投資のために企業の取り組みを調べ始めたのに、気づけば日常の買い物も変わっていきます。以前は日用品を「安いから」で選んでいたのが、詰め替え商品や長く使えるものを選ぶようになる。包装が過剰でない商品を手に取る。そうした選択が、「出費」ではなく「応援の一票」になっていきます。
投資の見方も同じです。
株価の上下だけを追うのではなく、「この会社は何に投資しているのか」「環境負荷を減らすためにどんな改善を続けているのか」と中身を見るようになる。決算発表も、点数や勝ち負けではなく、推しの活動報告として読むようになります。
「儲かりそうだから」「みんなが買っているから」だけを理由に投資すると、自分を振り返る機会を失いがちです。どんなお金の使い方をすれば、自分が心から納得できるのか。それを考えることが大切です。
投資の第一歩は、「応援したい」「役に立ちたい」という思いを見つめることです。
もちろん、損をしないことや結果を出すことは重要です。しかし、それ以上に大事なのは動機の順番です。
「どうすれば利益を得られるか」よりも先に、「何を応援したいのか」「どんな社会にしたいのか」を考える。
私は、「動機善なりや」が、投資の基本になると思っています。
「動機善なりや」は「結果よりも、その行為の動機が正しいかどうか」を重んじる考え方です。
ビジネスや投資の世界では「成果」「利益」が強調されがちですが、私は、「結果を目指すこと」と「動機を正すこと」は両立できると考えています。資産を増やすことを目標にしながらも、その出発点が誠実であることを重視しています。動機が誠実であれば、たとえ結果が思いどおりでなくても、その投資は失敗とは言い切れません。
お金に執着しすぎると、罪悪感や不安を抱きやすくなります。
一方で、自分が心から応援したいと感じる投資先を選べば、お金の使い方そのものに意味が生まれます。金銭的リターンだけでなく、「良い生き方をしている」という実感が得られる。そうした投資経験を積み重ねることで、「損をした・得をした」という尺度に縛られにくくなります。
ブレない軸が作られる「推し活投資」
たとえば、子どもの教育資金を考えるとき。多くの人は「子どものためにお金を貯めよう」と思います。自分の楽しみを後回しにしても、子どもの将来のためなら力を尽くしたい。その気持ち自体はとても尊いものです。
こうした行為は、広い意味では「子どもの未来を応援する」ための大切な推し活といえます。ただ、教育資金という「身近な願い」だけに意識が向くと、お金を増やすことばかりに気持ちが傾き、「どんな未来を応援したいのか」という視点が見えにくくなることがあります。
教育資金という身近な願いを、少し広い視点で捉え直してみる。すると、「子どもが生きやすい社会とは何か」という問いが立ち上がってきます。教育、保育、環境、安全など、子どもの未来に関わる領域が次々と見えてきます。
視野が広がったことで、「待機児童の問題を解決しようとしている会社」や「教育格差の解消に取り組む企業」など、応援したい存在が自然と目に留まることがあります。その企業を推して投資することは、子どもの未来を応援する行動そのものです。
自分の関心や信念に基づく投資は、金銭的な利益を超え、社会に良い影響をもたらす行動です。社会に価値を生む企業が成長すれば、自分の資産も育っていきます。
お金を動かすだけでなく、自分の意志で社会に関わる行為としての投資。私はそれを「応援する力を持った投資」と考えています。
アクションリスト
・投資先を選ぶ前に、「自分は何を良くしたいのか」を一度書き出してみる
・投資だけでなく、日々の買い物でも「何を応援するお金か」を意識する
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