この記事は2022年9月4日に「CAR and DRIVER」で公開された「便利で快適な「移動基地」に変身したスズキ・スペーシアの軽商用モデルがデビュー」を一部編集し、転載したものです。
スズキが新型軽バンの「スペーシア・ベース」を発売。軽スーパーハイトワゴンのスペーシアの基本骨格をベースに、商用車の積載性や広い荷室空間、マルチボードを使った多様なアレンジ性を融合
スズキは2022年8月26日、新ジャンルの軽バン「スペーシア・ベース」を発売した。
車種展開は以下の通り。
GF:2WD139万4,800円/4WD151万8,000円
XF:2WD154万7,700円/4WD166万7,600円
軽商用車にカテゴライズされる新型スペーシア・ベースは、「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」をコンセプトに、商用車の積載性や広い荷室空間、使い勝手のよさと、乗用車のデザインや快適性、運転のしやすさを融合した、新種の軽バンに仕立てたことが特徴。
スズキとしては、モノ重視の軽キャブバン「エブリイ」、ヒト重視の軽キャブワゴンの「エブリイワゴン」、日常使い寄りの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」、アウトドア・レジャー寄りの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア・ギア」を調和させた、ヒトもモノも日常使いも遊びも重視した、新しいポジションの軽自動車に位置づけている。
注目のパッケージングについては、既存のスペーシアの基本構造をベースに、隙間のないフルフラットなフロアと低く抑えた荷室開口地上高により、使いやすく荷物が出し入れしやすいラゲッジスペースを実現。
また、スペーシアと同等の乗り降りしやすいシート高や広々とした足もとの空間、厚みのある乗り心地のよいフロントシートなどにより、快適なキャビンルームを創出した。
装備面では、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジできるマルチボードを全車に標準設定したことがトピック。マルチボードを上段(床面から430mmの高さ)に設置すれば、ちょっとしたデスクスペースに早変わりして移動オフィスに変身。
また、中段(床面から290mmの高さ)に設置すれば、荷物を上下に分けて積載することができ、移動販売車としての利便性が高まる。さらに、下段(床面から165mmの高さ)に設置すれば、後席格納と前席シートバックのフルフラット化と合わせて、広大な休憩または就寝スペースを確保。そしてマルチボードを縦に設置すれば、荷室を前後(荷室長前805/後545mm)に分割して使用することができ、ペットとの旅行などで真価を発揮する仕組みだ。
使い勝手の幅が広がるアイデア満載の豊富なユーティリティを採用したことも、スペーシア・ベースの訴求点だ。収納スペースとしては、オーバーヘッドシェルフやリアクォーターポケット、フロアコンソールトレーなどを設定。
また、ユーティリティナットを荷室の左右側面に計10カ所配置し、様々なカスタマイズに対応させる。さらに、軽作業に便利な助手席シートバックテーブルや、脚立等の長尺物の積載に役立つルーフレール(XF)を採用した。
一方、快適装備の面では、作業の動線に配慮した後席右側パワースライドドア(XF)や、キーレススタートプッシュシステム、アウトドアアシーンで役立つ防汚タイプラゲッジフロア、スマートフォンなどの充電に便利なUSB電源ソケット[Type-A/Type-C]、夜間時でも文字などが確認しやすいLEDルームランプ(リア)、荷室のアレンジなどの際にリアクォーターポケットに収納できる脱着式後席シートベルトなどを配備。
ほかにも、強い日差しから肌を守るUV&IRカットガラス(フロントドア)や、直射日光を遮断するロールサンシェードなどを組み込んだ。
エクステリアに関しては、街中でもアウトドアでも映える、スタイリッシュかつ個性的な商用車デザインを提案。フロントグリルやドアハンドル、ドアミラー、バックドアガーニッシュ、リアコンビランプ内リムにはブラック塗装を施して重厚感を強調し、さらに足もとにはブラックで統一したハーフホイールキャップ付14インチアルミホイール(XF)または14インチスチールホイール(GF)を装着する。リアクォーターパネルやチェッカープレートをモチーフにデザインした専用エンブレムを貼付し、道具感を演出したことも特徴だ。
ボディカラーは新色のモスグレーメタリックをはじめ、デニムブルーメタリックやピュアホワイトパール、アクティブイエロー、ブルーイッシュブラックパール3といった、使い方やスタイルに合わせて選べる全5色をラインアップしている。
内包するインテリアは、タフさや耐久性の高さを感じさせ、しかも収納点数の多さを兼ね備えた室内空間を創出。また、インパネカラーパネルやフロアコンソールトレー、フロントドアミドルポケット、リアクォーターポケットのアクセントカラーにグレーイッシュブルーを採用して、力強さを表現する。
シート表皮はセパレートタイプの前席に撥水加工を施したファブリックを、一体式の後席に防水加工を施したPVCを採用。前席にはシートヒーター機構を内蔵した。
パワーユニットに関しては、アイドリングストップを組み込んだ自然吸気のR06A型658cc直列3気筒DOHC12V・VVTエンジン(最高出力52ps/6,500rpm、最大トルク6.1kg・m/4,000rpm)を搭載。
トランスミッションには軽量化と高効率化を果たしたCVTを組み込み、駆動機構には2WD(FF)とフルタイム4WDを設定する。燃費性能はクラストップレベルのWLTCモード21.2km/リットル(2WD)を実現した。
先進安全装備の充実化も注目ポイント。夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートなどを搭載するスズキ セーフティ サポートを全車に標準装備したほか、XFには全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロール(ACC)を採用する。
また、狭路でのすれ違い時の接触防止をサポートするすれ違い支援機能を搭載した全方位モニター用カメラをメーカーオプションとして設定。さらに、夜間走行時の視認性を高めるLEDヘッドランプおよびLEDフォグランプや、4エアバッグ(運転席・助手席SRSエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグ)を全車に標準で装備した。
なお、スペーシア・ベースは全車がエコカー減税の対象で、自動車重量税が免税となっている。
(提供:CAR and DRIVER)