この記事は2022年10月7日に「CAR and DRIVER」で公開された「フェラーリ812GTSをベースとしたワンオフのロードスターが登場」を一部編集し、転載したものです。
フェラーリがタルガトップ車の「812GTS」をベースとしたビスポークモデルの「SP51」を製作。オーダーしたのは台湾在住のフェラーリ・コレクター
伊フェラーリは2022年9月28日(現地時間)、ワンオフのスパイダーモデル「SP51」を発表した。
SP51はフロントに自然吸気の6,496cc・65度V型12気筒DOHC48Vエンジンを積むタルガトップ仕様の「812GTS」に採用するプラットフォームやシャシー、パワートレインなどを使って、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリングセンターが特別に内外装をデザインした唯一無二のスパイダーモデルである。
エクステリアはボディ表面のシームレスでたくましい起伏によって、力強さと美しさを高レベルで融合。また、素材にはむき出しのカーボンファイバーを幅広く取り入れ、合わせて2個のベントをダイナミックに取り囲むボンネットのトリムや、特別にデザインしたシャープな造形のLEDヘッドライト、豊かなホイールアーチを強調するボリューム感満点のサイドのパネル面、2個の深いカーボンファイバー製スクープによって視覚的な印象を和らげた左右のフライングバットレス、側面をバットレスと折り重なるようにアレンジしたリアウイング、スポイラー下のアーチ形内に組み込んだ丸形4灯式のリアコンビネーションランプなどを配して、モダンであると同時にしなやかで官能的なルックスを演出する。
このモデルのために特別に開発された、3層コートの新色「ロッソ・パッショナーレ」のボディカラーを纏い、ここに伝説の1955年製410Sからインスピレーションを得た青と白のストライプをボディ全長にわたって装着したことも、スタイリングのトピックだ。空力特性も最大限に重視し、CFD(数値流体力学)シミュレーションや風洞実験、動的テストによって精密なエアロダイナミクスフォルムを具現化。
同時にキャビンに侵入する風の流れも最適にコントロールする。さらに、足もとにはウィング形状を持ち、進行方向の面にトーンの異なる洗練されたダイヤモンドカット仕上げを施した、専用のホイールを組み込んだ。
インテリアに関しては、光沢のあるカーボンファイバー製トリムを幅広く採用したうえで、アルカンターラトリムのメインカラーにボディカラーと同系色のロッソ・パッショナーレを導入。ここに、エクステリアから連なる青と白のストライプのアレンジをバルクヘッド中央やセンタートンネルに拡大展開する。
また、ドアパネル周囲やダッシュボード下部、シートのサイドなどには青と白のステッチを配備。さらに、バルクヘッド上部には“SP51”のプレートを、カーペットには“SP51”のロゴを、シートのヘッドレストには跳ね馬の白い刺繍を配して、スペシャル感を強調した。
なお、SP51は台湾在住のフェラーリ・コレクターが注文し、“スペシャル・プロジェクト”プログラムによって製作されたビスポークモデルで、製作の際は全段階で注文主が関与して、フェラーリ側がその要望に応えた逸品であるという。
(提供:CAR and DRIVER)