この記事は2022年8月21日に「CAR and DRIVER」で公開された「軽やかな走り。718ボクスターは、頑張れば手が届くポルシェ、乗る価値がある!」を一部編集し、転載したものです。


PORSCHE718ボクスター 価格:6MT 768万円/7DCT 816万円 試乗記

ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
ポルシェ718ボクスター 718ボクスターは2リッターターボ/2.5リッターターボ/4リッター自然吸気を設定 「718」の名称は1950年代後半から1960年代前半に活躍したMRレーシングカーに由来する

MR+オープン、スポーツカーの理想形

1stボクスターのデビューは1996年。長い歴史を持つ空冷エンジン搭載の911シリーズに頼ったビジネスからの脱却を目指し、同じ水平対向6気筒ながら水冷化を果たした新エンジンと、ボディのフロントセクションを新世代911と共有するという合理的なシナリオを導入。ミッドシップレイアウトを備えたオープン2シーターのブランニューモデルとして誕生した。

ボクスターはいまやポルシェの主力モデルに成長。現行718シリーズは、燃費効率に優れるターボ付き4気筒をメインとする4thモデルだ。アルミニウムを多用したボディは、3rdモデル(981型)をベースにしている。

ボディサイズは全長×全幅×全高4,385×1,800×1,280mm。車両重量は6速MT仕様で1,360kg。ひと昔前であればこうしたスペックの持ち主を「ライトウェイト」とカテゴライズするのははばかられたかもしれない。しかし、車両の大型化とそれに伴う重量増が止まらない現在では、これでも相対的に「小さくて軽い」部類に入れていいだろう。

意のままの走り。パフォーマンスは超一級

実際、718ボクスターで走り始めてまず感じるのは、何とも軽やかな感覚である。加速もハンドリングも意のままに反応する。同じボクスターでも2ndモデル(987型)以前のクルマから乗り換えると、その差は明確だ。前述のようにボディの多くの部分をアルミニウム化するなど、軽量構造が意識されたことが実感できる。

パフォーマンスは一級品。ガソリンエンジンとしては稀有な可変ジオメトリー式ターボを装備した2.5リッターユニット(350ps)を積むSグレードはもちろん、通常のターボを組み合わせる2リッターエンジン搭載のベースグレードでも、最高出力が300psというデータから想像できるとおり、加速能力に不足はない。

それでも、「やはりポルシェには官能的なフラット6サウンドがほしい」というユーザーには、ライフ途中で加えられた4リッターの自然吸気6気筒(400ps)を積むGTS4.0という選択肢もある。どんなユーザーでも、きっとお気に入りの1台が選べるに違いない。

ポルシェは、次期型ボクスターとそのクーペ版のケイマンをピュアEVとする方針を発表済み。そうなれば、現行モデルよりも3桁㎏の単位で車重が増す可能性が高い。そうしたハンディキャップをポルシェならではの技術力で跳ね返してくれることを期待するが、現行718とはキャラクターが大きく変わりそうだ。

純エンジン搭載のポルシェ製ミッドシップ・オープン2シーター。その軽快な走りを堪能できるのは、そろそろラストチャンスかもしれない。

(PORSCHE718ボクスター 価格:6MT 768万円/7DCT 816万円)

ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
室内は機能性を重視した造形 ステアリング部に走行モード切り替えを配置する 写真のボルドーレッド本革インテリアはop 操縦性はMRスポーツらしいシャープな味わい
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
シートはハイバック形状 リクライニングは電動/スライドは手動式 開放感満点
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
メーターは3連形状 タコメーターを中央にレイアウト 速度計はデジタルと指針の併用タイプ
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
トランスミッションは6速MTと7速DCT MTはショートストロークタイプ クラッチはやや重め
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
標準は18インチ 写真の19インチはop タイヤはリアが太い前後異サイズ 19インチは40扁平 足回りはしなやか
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
トップはフル電動タイプ 開閉時間は約10秒 リアウィンドウはガラス製

ポルシェ718ボクスター主要諸元

ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER

グレード=718ボクスター(MT)
価格=6MT 768万円
全長×全幅×全高=4,385×1,800×1,280mm
ホイールベース=2,475mm
トレッド=フロント:1,515×リア:1,532mm
車重=1,360kg
エンジン=1,988cc水平対向4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=220kW(300ps)/6,500rpm
最大トルク=380Nm(38.8kgm)/2,050~4,500rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量54リッター)
サスペンション=前後ストラット
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:235/45ZR18/リア:265/45ZR18+アルミ
駆動方式=MR
乗車定員=2名
最小回転半径=5.3m
パワーウェイトレシオ=4.53kg/ps
*3価格はすべて消費税込み
撮影協力:新宿パークタワー

ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
718ケイマンGTS4.0 価格:6MT 1,113万円/7DCT 1,168万2,000円 メカニズムはボクスターと基本的に共通 一段とシャープなハンドリングが魅力 GTSの最高速度は293km/h
ZUUonline 編集部 引用 CAR and DRIVER
Writer:河村康彦 ・Photo:小久保昭彦

(提供:CAR and DRIVER