鉄人レースと呼ばれるトライアスロンがエグゼクティブに人気です。エグゼクティブは何を求めてトライアスロンに参加しているのでしょうか。トライアスロンの概要とエグゼクティブが参加する目的について紹介します。
目次
トライアスロンとはどんなスポーツか
トライアスロンは、水泳、自転車ロードレース、長距離走の3種目を連続して行う耐久競技です。1974年に米国で行われたのが始まりといわれています。2000年からオリンピック、2016年からパラリンピックの種目にも採用され、近年注目が高まっています。
トライアスロンの競技距離は、オリンピック・ディスタンスと呼ばれるスタンダードな距離で51.5㎞(水泳1.5㎞、自転車40㎞、長距離走10㎞)です。そのほか短・中・長距離でいろいろなレースがありますが、最も過酷なレースがアイアンマンレースと呼ばれており、226.2㎞(水泳3.8㎞、自転車180.2㎞、長距離走42.2㎞)を完走するとアイアンマン(鉄人)の称号が与えられます。
アイアンマンレースは水泳と自転車ロードレースが終わったあとに、フルマラソンと同じ距離を走るわけですからいかに過酷なレースかがわかります。トライアスロンが最も過酷なスポーツといわれる所以です。
半面、親子で参加できるような初心者向けの短距離レースもあり、中高年や子どもであってもトライアスロンに取り組むことは可能です。
トライアスロンの参加者はエグゼクティブが多い
トライアスロンにはどのような人が参加しているのでしょうか。アンケート調査による平均年収と職業で見るかぎり、エグゼクティブが多く参加している実態が浮かんできます。
参加者の平均年収はどれくらい?
トライアスロンは年収が高い人が多く参加するスポーツといわれています。トライアスロン専門サイト「Triathlon Lumina」が実施した「トライアスロンリサーチ2019」によると、参加者の平均所得は一般トライアスリートが966万円、アイアンマンレース経験者が1,187万円となっており、やはり高年収の参加者が多いスポーツというのは確かなようです。
また、同じアンケート調査によると、トライアスロン大会にかける1年間の費用は、一般トライアスリートが26万円、アイアンマンレース経験者が50万円です。さらに、自転車を含むトライアスロン用具にかける費用は、一般トライアスリートが25万円、アイアンマンレース経験者が34万円となっています。
一般トライアスリートで合計51万円、アイアンマンレース経験者で合計84万円という費用がかかるので、低所得者の参加はハードルが高いかもしれません。
参加者の職業は?
トライアスロンに参加している人の職業は、同じアンケート調査によると経営者・役員が22.4%、管理職が43.5%となっています。平均年齢が一般トライアスリートで48歳、アイアンマンレース経験者で51歳なので、ある程度役職が高い地位にある人が多いことがうかがえます。それが平均所得1,000万円前後という結果につながっているのでしょう。
エグゼクティブはトライアスロンに何を求めているか
過酷なトライアスロンになぜエグゼクティブが参加しているのかも気になるところです。エグゼクティブは費用対効果を考え、無駄なことにはお金を使いません。高額な費用をかけるのには理由があり、次のようなメリットを求めて参加しているようです。
落ちてきた体力を向上できる
一番オーソドックスな理由が体力の向上です。人間は年齢を重ねるごとに体力が落ち、若い時のように自分の体をコントロールできなくなります。これは、多くのプロスポーツ選手が40歳までに引退することからもわかるでしょう。
トライアスロンは3種目のペース配分が重要で、やっていくうちに自分の体を上手くコントロールできるようになるといいます。トライアスロンに参加することで、体力の向上や自分の体をコントロールできる感覚を取り戻せるといったメリットを得られるのです。
自分の限界にチャレンジできる
トライアスロンはチャレンジ精神なしにできるスポーツではありません。200㎞を超えるアイアンマンレースに出るような人は特別だとしても、スタンダードな距離でも51.5㎞の長丁場です。レースの途中で何度も限界を感じるはずです。
その限界を超えて完走したときに、自分の限界を超えた喜びを味わうことができます。精神的に鍛錬されることで、仕事上で困難に直面したときも同じように克服しようという意欲が湧いてくることでしょう。
人と争わないことで仕事上のつながりができる
トライアスロンに参加する人は、人と争うことより自分自身との戦いに主眼を置いている傾向があります。人との比較ではなく、以前の自分のタイムを超えることを目指す人が多いようです。
また、参加者の間で仲間意識が生まれるため、大会に参加して出会った人と仕事上のつながりができる場合もあります。経営者・役員・管理職が参加者の65.9%を占めるトライアスロンならではのメリットといえるでしょう。
トライアスロン大会の概要
トライアスロン大会は、北は北海道から南は沖縄まで全国各地で行われています。なかには「ホノルルトライアスロン2022」のように海外で行われる大会もあります。実施期間は寒冷期を除き、5~10月のほぼ半年間の間に行われます。
参加区分は、一般のほか子どもを対象にした「ジュニア」や「キッズ」を設定している大会もあり、キッズの水泳距離は「OSAKAデュアスロン2022IN万博記念公園」の例では500mです。小中学生のうちから体を鍛え、将来トライアスリートを目指す子どももいるでしょう。
気になる参加費用は、個人で概ね1~4万円程度で、リレーはもう少し高めになります。ジュニアやキッズは一般よりも安い料金に設定されています。ただし、遠方から参加する場合は交通費や宿泊費などがかかる場合もあるので、家族で参加するとかなりの費用になりそうです。
※文中の大会情報は2022年大会のものですので、2023年大会の開催情報についてはJTU(JAPAN TRIATHLON UNION)の公式サイト等でご確認ください
トライアスロンで精神を鍛錬しエグゼクティブへの道を歩もう
トライアスロンへの参加には2つのハードルがあります。1つは、体力的な問題です。トライアスロンは過酷なスポーツですので、基礎体力がない人が参加するのは難しいでしょう。
もう1つは経済的な問題です。先に述べたように参加へのコストが一般トライアスリートでも年間51万円(月あたり4万2,500円)かかりますので、定期的に参加するにはある程度高い所得層でないと難しそうです。
しかし、体力と財力が揃っている人にとっては挑戦してみる価値があるスポーツです。トライアスロンで精神が鍛錬されることによって、仕事上の困難な課題にも意欲的に取り組めるようになるでしょう。
前出したアンケート調査によると、トライアスロンに参加する人の37%が長距離走、20%が自転車、17%が水泳の出身者です。これらの経験がある人は、初心者向けの大会から参加を始めてみるのもよいかもしれません。代表的な初心者向け大会の距離は、水泳が300~750m程度、自転車が10~21.6㎞程度、長距離走が2.3~5㎞程度となっており、無理なく参加できそうです。
現時点でエグゼクティブではない人も、トライアスロンに参加した経験を仕事に活かし、エグゼクティブへの道を目指すのも有意義といえるのではないでしょうか。
(提供:YANUSY)
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