◎純正・おひとりさま4人に1人時代の衝撃

つまり、離婚したり、死別したりしてのおひとりさまの数も入れたら、おひとりさまはどのくらいになるのでしょう。

さらに、周りには結婚していてもあまり幸せではない人たちはそれこそたくさんいます。

離婚して慰謝料や養育費を山ほど払ってるのに、酔っ払うと「佐藤~、一度は結婚しておいたほうがいいんじゃないか?」と友達によく言われたものです。きっとマウントを取ってるつもりだったのでしょう。私は、お前みたいになりたくねぇ〜と心の中で切り返してました。

ちょこちょこ手をあげる暴力夫に嫌気がさしながら、「今更どうしようもない」と我慢している女の友達もいました。結婚して2年目から寝室を別にして、子どもの成長だけを楽しみに我慢しながら生きてきたそうです。そういう事例を見てくると「おひとりさま」ってそんなに不幸なのかな? そう思ってしまうのです。

少なくとも、おひとりさまは令和では、決して珍しいものではなく、よくある普通のこと。これが実態です。

考えてみたら、僕と年に数回は飲んだり食べたりしてくれる放送作家のMさんや、ディレクターのSさんも一度も結婚したことのない未婚者です。若い時に大変お世話になった気鋭の経済学者のHさんもそうです。仲良くさせてもらってる政治家のKさんも独身です。大学の同期のOはREITのファンドマネジャーをしている普通の会社員ですが、すでに数億の金融資産を持ち、都心のマンションで優雅に過ごしてます。週末は箱根にあるマンションで時間を過ごし、趣味は全国の温泉巡りですでに800回も出かけたと言ってます。断っておきますが、みんな女性好きです(ゲイで未婚の人もいるでしょうけど)。お金にも困っていません。ですから、特別な理由でひとりでいるわけでもないのです。自分も含めて見ていると、かつての日本のように、結婚しないと一人前じゃない。社会人として認めない。そんな風潮が弱くなってきた時代に20代を迎えた世代なのです。そして、無理してとにかく誰でもいいから結婚しようという選択をしてこなかったら、こうなった。それだけのことです。

みんな不幸そうには見えません。もちろん、愚痴もこぼしますし、老後が心配だとも言いますが、楽しい人生を送ってきたことだけは間違いありません。愚痴や老後の心配はおひとりさまだけじゃないですよね。ですから、こう申し上げたいのです。

おひとりさま=負け組=不幸、という図式は間違いです。