この記事は2022年12月26日に「月刊暗号資産」で公開された「金融庁、海外発行ステーブルコインの国内流通を来年にも解禁へ」を一部編集し、転載したものです。
金融庁が来年にも海外発行のステーブルコインについて、国内流通を解禁する意向であることがわかった。26日、日本経済新聞が報じた。
金融庁はWeb3.0におけるサービスでステーブルコインが決済手段として使用されることを念頭に置き解禁する方向へ舵を切った。ステーブルコインを用いた決済により、国際送金が従来と比較して安価かつ早くなるなど効果をもたらすことにも期待を寄せる。
今月26日より意見募集を開始し、来年にも内閣府令などを改正してガイドラインを定める。その後、今年6月に成立し来年施行予定の改正資金決済法に合わせて適用する方針だ。
この改正資金決済法は国内で初めてステーブルコインを規制したものとなっている。発行を銀行や資金移動業者等に限定するほか、流通を担う事業者の登録制を導入する。
改正資金決済法の成立時点では国内事業者の発行や流通について定められたが、規制の詳細や海外発行のステーブルコインに関する扱いなどは固まっていなかった。そのため、ガイドラインでは同法に基づいて取扱いの詳細を記載する。
報道によると、ステーブルコインの取扱いについては預金などによる資産保全や送金上限を条件として認める。国内で取引を担う流通業者に資産保全を義務付けるほか、送金1回あたり100万円の上限も設ける予定だ。
ステーブルコインの流通業者に取引情報の記録を求め、不正送金を追跡可能にするなど、マネーロンダリング対策も考慮した条件を盛り込む。国内発行のステーブルコインについては、発行を銀行や資金移動業者および信託会社に限定し、銀行や資金移動業者など発行者に裏付け資産の保全を義務付ける。
一方で、アルゴリズム型ステーブルコインに関しては規制が強化される可能性がある。
今月7日に金融庁が発表した天谷金融国際審議官のスピーチ内容によると、アルゴリズム型ステーブルコインについてはビットコイン(BTC)などと同様に暗号資産(仮想通貨)に分類して規制すべきだとの考えが示された。天谷氏はステーブルコインについて「価格の暴落が起こる可能性がある」とし、特に注意が必要と述べている。(提供:月刊暗号資産)