この記事は2023年1月30日に「月刊暗号資産」で公開された「オランダ中銀、コインベースに対して約4億7,000万円の罰金科す」を一部編集し、転載したものです。
オランダ中央銀行(DNB)は26日、米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、昨年9月22日までの間、ライセンス登録をせずにサービスを提供したとして、332万5000ユーロ(約4億7,000万円)の罰金を科したことを発表した。
オランダ中央銀行は声明で、「コインベースに行政罰金を科したのは、同取引所が過去オランダにおいてオランダ中央銀行のライセンスを有することなく、暗号資産サービスを提供していたため」と説明した。
発表によれば、コインベースは「カテゴリー3」に反したという。これに反すると最高400万ユーロ(約5億6,500万円)の罰金が科せられる。
行政罰金の決定はオランダ中央銀行が定める一般的な罰金ポリシーに準ずるものであるという。基準額は200万ユーロ(約2億8,300万円)だが、今回は重大性や過失が確認されたため、増額されたと説明している。
オランダ中央銀行は、「罰金を科すにあたり、我々はコインベースが世界最大の暗号資産サービスプロバイダーの1つであることを考慮した」とし、「我々に監督料を支払わず、監督に関連する費用を負担しなかったことで他競合企業に対し優位性を持っていた」と述べた。
また罰金を科した別の重要な理由として、違反が2020年11月15日から、オランダ中央銀行の調査終了日である昨年8月24日まで長期に渡って続いていたことを挙げた。同行はこれを「深刻なものと見なさらざると得ない」とみなし、「その期間中、捜査当局に見つかることなく多数の違法取引が行われた可能性がある」とした。
しかし、オランダ中央銀行はコインベースが未登録中に同行よりライセンスを取得する意図を持っていたことを考慮し、罰金を5%減額したとしている。今年3月2日までコインベースはオランダ中央銀行に対して異議を唱えることが可能だ。
オランダ中央銀行は昨年7月に暗号資産取引所バイナンス(Binance)に対しても同様に332万5000ユーロの罰金を科した。
オランダでは暗号資産サービスプロバイダー(VASP)の登録義務が2020年5月に導入されている。