アリババグループは2月13日、中国大手自動車メーカーの吉利汽車(GEELY)と自動運転が可能な電気自動車(EV)開発に関する戦略的提携を発表しました。アリババのデジタル技術と吉利汽車の自動運転に関する専門性を持ちより、両社はクラウドコンピューティング、持続可能な開発、デジタルマーケティングなどの分野で協力を深めます。

吉利汽車は、高性能な電気自動車の販売だけでなく自動運転技術の強化を通じ自動車企業からモビリティテック企業へと飛躍を遂げようとしており、これには高性能なクラウドコンピューティングと人工知能(AI)が不可欠です。アリババはAlibabaCloud(アリババクラウド)活用による高効率・高速処理の実現に加え、吉利汽車の研究所との連携による高性能なコンピューティングシステムの研究や、データ分析に基づいた製造ライン構築などの支援を行う予定です。

(画像=Car Me」より引用)

近年、中国ではコネクテッドカーや電気自動車、自動運転車が台頭しています。中国の国家機関である国家発展改革委員会によると、中国におけるコネクテッドカーの数は2025年までに2800万台に達し、同国の自動車の82%を占めると予測されています。アリババは自動車向けクラウドコンピューティング分野における主要企業であり、中国の自動車会社の70%以上がAlibabaCloudのクラウドサービスを活用しています。中国大手電気自動車メーカーの小鵬汽車(XPENGMotors)も昨年、自動運転車のAI性能向上を目的に、AlibabaCloudの高機能クラウドコンピューティングを導入しました。

競争が激しい中国の自動車業界において、自動車メーカーは優位性を高めるために消費者体験の向上にも注力しています。アリババとの戦略的提携により、吉利汽車はアリババのECプラットフォームTmall(天猫、Tモール)のマーケティングに関する知見を活用することも可能となります。例えば、Tmallは車種の検索から車両の引き取り、配送までのワンストップ・ソリューションやライブコマースなどのマーケティングツールを吉利汽車に提供しています。吉利汽車の創業者で会長の李書福(リー・シューフー)氏は、先月、新プレミアムSUVモデル「XingyueLHi-P」をタオバオライブ(淘宝直播)において披露し、同ライブコマースは100万人以上に視聴されました。視聴者はライブコマースから試乗予約や注文をすることもできます。

アリババは、今後もクラウドコンピューティングやデジタルマーケティングツールなどの強みを活かし、自動車における技術革新から販売促進まであらゆる側面から自動車業界を支援することで、より安全で快適な移動手段を消費者に届けていきます。