世界中のウイスキーファンを魅了し続けている、日本のシングルモルト「山崎」。味わい・香りともに魅力あふれるウイスキーですが、投資対象としても注目が集まっています。

そこで今回は、山崎ウイスキーに投資する魅力についてご紹介します。

(TOP画像引用:サントリー)

目次

  1. 山崎ウイスキーとは
  2. 山崎ウイスキー投資の魅力
  3. 代表的な山崎ウイスキーの特徴
  4. 代表的な山崎ウイスキーの定価と相場
  5. 山崎ウイスキーの価値を左右するポイント
  6. 山崎を入手する方法
  7. まとめ

山崎ウイスキーとは

5,300万円での落札実績も。ジャパニーズウイスキーの代表格「山崎」の魅力や相場を解説

サントリーが生産・販売しているウイスキー「山崎」。代々受け継がれているウイスキーづくりへの情熱を持つ同社が、試行錯誤を繰り返しながら辿り着いた「日本のシングルモルトウイスキーの形」として誕生しました。

2003年には、世界的に権威のある酒類コンペティション「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)」にて日本初の金賞受賞。以降、世界中から注目される銘柄となり、今では「ウイスキーファンで知らない人はいない」と言われるほどの銘柄となりました。

between the arts

山崎ウイスキー投資の魅力

巧みな技術と多彩な原酒により生み出された、調和のとれた味わいが特徴の「山崎」。香り高く芳醇で甘い味わいは深い余韻を与え、多くのファンを持つ銘柄ですが、なぜ投資対象としても注目されているのでしょうか。

売却が簡単にできる

投資対象となる品物のなかでは、比較的簡単に売却できることがウイスキー投資の魅力の一つです。主な売却方法は、買取業者への持ち込みやライブオークション・インターネットオークションへの出品です。

高い人気を誇るジャパニーズウイスキーのなかでも、「山崎」は買い取りが強化されおり、多くの方からの入札が見込めるため、売却に困ることはないでしょう。

品質管理を比較的行いやすい

ウイスキーはワインに比べて、劣化しにくく品質管理がしやすい酒類です。専門的な知識やセラーなどの温度管理ができる高度な保管庫がなくでも、管理できます。

しかし、ウイスキーも高温多湿な環境や振動が発生する場所に保管してしまえば、品質に影響が出かねません。氷点下になると綿上の浮遊物ができてしまう場合もあります。

ウイスキーの品質を保つには、直射日光を避け、寒暖差の少ない安定した環境で保存するようにしましょう。

高い利益が期待できる

人気ブランドのウイスキーは市場価格が年々上昇しています。とくに限定リリースのボトルや年数表記のあるボトルは、長期的にみると価値が上がり続けており、価格が下がることは現状めったにありません。

手に入れたときよりも、ずっと高い値段で売却できる可能性が高く、投資した利益が期待できます。

代表的な山崎ウイスキーの特徴

シングルモルトウイスキー「山崎」には、さまざまなボトルがあります。代表的なボトルは「山崎ノンエイジ」と「山崎12年」ですが、今回は市場価値の高い「山崎」をピックアップしてご紹介します。

山崎18年

スパニッシュオークの樽で熟成させた原酒を中心に、酒齢18年以上のモルト原酒のみで作られた一本が「山崎18年」です。

「山崎18年」は香り・味わいに奥行きがあり、深い熟成感があることが特徴。アルコール度数は43%、容量は700mlです。

山崎25年

高貴な木の香りに複雑な甘さ、長く深い余韻が特徴の一本。25年以上熟成させた希少な原酒から、「山崎」を代表するミズナラオーク樽をはじめ、スパニッシュオーク樽やアメリカンオーク樽などさまざまな樽で熟成された原酒を丁寧にブレンドし作られています。

「山崎25年」は年間生産数千本の限定品で、こちらも容量は700ml、アルコール度数43%のボトルです。

山崎50年

50年以上熟成されたモルト原酒のみで構成された、世界的にも珍しい超長期熟成モルトウイスキー。50年以上の熟成に耐えうるウイスキー自体、作ることが難しいため、きわめて希少価値の高い一本です。

アルコール度数は57%と非常に高いですが、50年以上熟成されているため、アルコール感を覚えないほどの円熟味があるでしょう。

これまで2005年に50本、2007年に50本、2011年に150本が限定販売されていて、それぞれ即完売。いま手に入れる手段は、オークションに限られています。

山崎55年

山崎蒸留所で55年以上熟成された、モルト原酒のみを使用したきわめて希少な一本。1964年蒸留のホワイトオーク樽原酒と1960年蒸留のミズナラ樽原酒など、熟成のピークを迎えた原酒を匠の技でブレンドしました。

「山崎55年」は、2020年に100本限定でリリースされました。容量は700ml、アルコール度数は46%です。

between the arts

代表的な山崎ウイスキーの定価と相場

山崎ウイスキーは、現在定価よりもかなり高い価格相場となっています。「山崎ノンエイジ」は希望小売価格4,500円ですが、国内のオークションサイトでは9万0,000円での落札実績があります。

上で紹介した「山崎18年」「山崎25年」「山崎50年」「山崎55年」ボトルは、定価との差がさらに顕著です。なかには50倍もの高値となっている商品もあります。

山崎18年

希望小売価格が3万2,000円の「山崎18年」は、海外のオークションサイトでは約26万8,000円で落札されており、高騰しています。

山崎25年

「山崎25年」の希望小売価格は、16万円です。こちらも大幅に価格が高騰していて、2022年6月のシンワオークションでは約175万円で落札されました。

山崎50年

「山崎50年」は、希望小売価格100万円でリリースされました。これまで紹介した「山崎」よりは高額ですが、これでも「安い」とさえ言われるほどで、発売されるやいなや即完売。

2018年1月に香港で開催されたサザビーズのオークションでは29万8,879ドル(約3,270万円)で、2022年1月には37万5,000ユーロ(約5,391万円)で落札された実績があります。

山崎55年

2020年、「山崎55年」は希望小売価格330万円でリリースされました。もっとも熟成年数が長かった「山崎50年」を更新する55年熟成とあって注目を集め、販売後は間もなく完売。

2022年にはサザビーズのオークションで出品され、1本60万ドル(約8,100万円)で落札。予想落札価格の40~50万ドルを大きく上回る結果となるなど、高い人気を誇ります。

山崎ウイスキーの価値を左右するポイント

年々価格が高騰し、限定ボトルなどはどんどん希少価値が高くなっている「山崎」。ここでは、価値を左右する大事なポイントを踏まえて、見極めに必要な要点を3つご紹介します。

ラベルに原酒の熟成年数が記載されている

山崎には、熟成年数の表記がない「ノンエイジ」と、熟成年数の表記があるボトルがあります。どちらも価格が高騰していますが、ノンエイジは少し前まで居酒屋などでも取り扱っていました。ノンエイジのなかにも限定リリースのボトルがあり、高価で取引されています。

一方で、熟成年数表記のあるボトルの方が、高額買取されやすい傾向があります。20年以上のものは定価が数万円程度でも数十万円、数百万円で取引されているボトルもあります。熟成年数が長いほど、高額買い取りになりやすい傾向です。

シェリー樽やミズナラ樽で製造されている

豊かな香味や味わいのあるシェリー樽やミズナラ樽など、オリジナリティのある樽を使った銘柄は人気です。とくにミズナラオークは日本原産の木材で、この樽自体が希少で高価。

ノンエイジのボトルでも、ミズナラオークやスパニッシュオークなど記載がある場合、限定品の可能性があります。山崎の長期熟成ボトル(25年や50年など)は、ミズナラ樽原酒が使用されています。ラベルに「mizunara」など記載があることが多いので、細かくチェックするといいでしょう。

箱などの付属品が揃っている

箱や商品説明の冊子などが一緒に入っている場合、高額での買い取りとなりやすい傾向です。限定品やヴィンテージ品などは、付属品の有無で数万円~数十万円ほど価格が変わります。

コレクションする際は、付属品の有無もチェックするようにしましょう。

山崎を入手する方法

現在、山崎ウイスキーは全体的に入手しにくい状態です。ノンエイジのスタンダードボトルでもなかなか定価では入手できない状況ですが、今でも抽選販売を通じて定価もしくは比較的安価で入手する方法はあります。

サントリー公式の抽選販売

サントリー公式サイトにて、抽選販売が行われることがあります。サントリー公式サイトの抽選販売には、限定ボトルをはじめ、年数表記のあるボトル、休売から一時的に復活したボトルなどがラインナップ。

直近だと「山崎 リミテッドエディション2022」が1,000本限定でリリースされました。

当選すれば、定価で入手できることも魅力です。ただし、抽選販売の開催は不定期なので、メールマガジンなどに登録して情報を定期的にチェックする必要があります。

AmazonなどのECサイト

Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイトでも山崎ウイスキーを入手することができます。ところが、ほとんどはプレ値となっているため、定価と比べて最大で十数倍もの値段となっている場合も珍しくありません。

ごくたまに抽選販売を行っていることもありますが、こちらも不定期開催となるため、日々チェックしなければ見逃してしまうかもしれません。また、大手ECサイトで行われる抽選販売には、終売品・休売品などが出回ることが多い傾向があります。

スーパーや百貨店

スーパーや百貨店などの小売店で「山崎」が販売される機会があります。多くの場合、「お一人様1本まで」などの制約が設けられていますが、定価に近い価格で購入できるチャンスは見逃せません。

販売されるボトルは「山崎ノンエイジ」か「山崎12年」が中心です。ハイクラスの山崎が並ぶことは少なく、事前の入荷お知らせもないため、買えるかどうかは運しだいです。

まれに限定品や熟成年数の長いボトルが抽選販売されることがあるので、売り場やサイトをまめにチェックすると、「山崎」を手に入れるチャンスがつかめるかもしれません。

オークションサイト

オークションサイトでも「山崎」が、しばしば出品されています。とくにここまでにご紹介した酒齢18年以上の「山崎」はオークション以外で入手することは難しいでしょう。実際、大手オークションサイトでのラインナップを見る限り、25年や35年などの超長期熟成ボトルがほとんどです。

落札価格はプレ値、もしくは同等ぐらいの場合が多いです。入手がきわめて難しいボトルを手に入ることができる一方で、入札者が多く落札できないことも多々あります。サザビーズなどの海外オークションや、Yahoo!オークション、定期的にワインやウイスキーのオークションを開催しているシンワオークションなど、幅広く情報をキャッチするとよいでしょう。

まとめ

芳醇な香りにまろやかな口当たりと甘い味わいで、世界中のウイスキーファンを虜にする「山崎」。世界的な人気を誇る銘柄となった「山崎」は、年々価格が高騰し投資対象としても注目が集まっています。

ウイスキー投資は、品質管理のしやすさや高利益が望めること、そして売却がしやすいことが魅力です。その点からも「山崎」はとくに高い利益をもたらす注目のウイスキー銘柄と言えるのではないでしょうか。

between the arts