主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年3月15日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(火)の為替相場
(1):鈴木財務相 「日本の金融システムは安定」
(2):英2月雇用統計 ポンド相場への影響薄
(3):米2月CPI 鈍化したものの高止まり
(4):リスク回避ムードが後退
▼14日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米長期金利の動きを睨んだ展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(火)の為替相場
(1):鈴木財務相 「日本の金融システムは安定」
鈴木財務相は米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻について「日本の金融システムに重大な影響を及ぼす可能性は低い」と発言。さらに「足もとの金融市場ではリスク回避的な動きが指摘されているが、日本の金融システムは安定」と述べた。
(2):英2月雇用統計 ポンド相場への影響薄
英2月失業率は3.8%(前回3.8%)、同失業保険申請件数は1.12万件減(前回3.03万件減)だった。国際労働機関(ILO)基準の英11-1月失業率は3.7%と予想(3.8%)を下回った。11-1月の週平均賃金は前年比+5.7%と予想と一致した。ポンド相場に目立った反応はなかった。
(3):米2月CPI 鈍化したものの高止まり
米2月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%、前年比+6.0%と予想通りの伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+5.5%と予想に一致。いずれも前月から鈍化したものの高止まりした。来週21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げを裏付ける内容と受け止められたものの、シリコンバレー銀行(SVB)破綻の影響でFOMCが利上げを見送るとの観測も根強く、米CPI発表直後のドルは買いが先行したが急失速するなど神経質な動きとなった。
(4):リスク回避ムードが後退
10日のSVB破綻をきっかけに下げ足を強めていた欧米株の反発を受けてリスク回避ムードが後退。ドル/円やクロス円はいずれもこの日の高値を付けた。ただ、米国株が伸び悩んだためその後は上値を伸ばせなかった。
14日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米長期金利の動きを睨んだ展開
昨日のドル/円は米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけに市場に広がったリスク回避ムードが後退する中、134円台へと反発。不安定に上下しつつも133.00円台から下値を切り上げる展開となり、インフレの根強さが示された米2月消費者物価指数(CPI)の発表後には134.90円前後まで上昇した。SVBの破綻が世界的な金融システム不安につながるとの過度な懸念が和らいだことで欧米市場では株価が反発し、長期金利も上昇。なお、米2月CPIは総合、コアともに前月から伸びが鈍化したものの、それぞれ前年比+6.0%、+5.5%と予想通りに高止まりした。これを受けて来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ期待はいくぶん上昇したが、金利先物市場は依然として利上げ見送り(金利据え置き)を30%程度織り込んでいる。
そうした中、本日は米2月生産者物価指数(PPI)が発表される。SVB問題に絡む悪材料が出ないことが前提条件となるが、PPIがインフレ高止まりを示せば利上げの再織り込みが進みそうだ。米2月PPIの市場予想は前年比+5.4%(前回+6.0%)、コア指数も+5.2%と(前回+5.4%)といずれも前月から鈍化すると予想されている。ドル/円は、本日も米長期金利の動きを睨んだ展開となろう。
注目の経済指標:米生産者物価指数
注目のイベント:なし
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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