外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年3月16日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼15日(水)の為替相場
(1):中国小売売上高は市場予想通り
(2):ECB関係者「50bp利上げに傾いている」
(3):クレディ・スイスの経営不安 リスク回避の円買い
(4):米PPI 市場予想を大幅に下回る
(5):スイス中銀 事態の鎮静化に乗り出す

▼15日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:不安定な動き継続/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

15日(水)の為替相場

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期間:15日(水)午前6時10分~16日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):中国小売売上高は市場予想通り

中国2月鉱工業生産は前年比+2.4%と予想(+2.6%)を下回った。同小売売上高は前年比+3.5%と予想通りの結果であった。

(2):ECB関係者「50bp利上げに傾いている」

欧州中銀(ECB)の関係者の話として「16日のECB理事会で、市場の落ち着きや根強いインフレなどでなお50bp(0.50%ポイント)の利上げに傾いている」「ECBの最新インフレ率予想は、2024年は2%を大幅に上回り、2025年も小幅上回る」と伝わった。

(3):クレディ・スイスの経営不安 リスク回避の円買い

スイス大手銀行クレディ・スイスを巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられた。なお、同行は前日に過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったと表明していた。これを受け、同行の株価は一時30%超下落して上場来安値を更新。仏銀など他の欧州銀行株にも売りが波及した。米銀の破綻に続く欧州銀行の経営不安を受けてユーロ/円やポンド/円主導でリスク回避の円買いが強まった。

(4):米PPI 市場予想を大幅に下回る

米2月生産者物価指数(PPI)は前年比+4.6%と予想(+5.4%)を下回り、前月(+5.7%)から伸びが鈍化。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+4.4%と予想(+5.2%)を大幅に下回って前月(+5.0%)から鈍化した。米2月小売売上高は前月比-0.4%と予想に一致。自動車を除いた売上高も前月比-0.1%と予想通りだった。米2月NY連銀製造業景気指数は-24.6と予想(-7.9)を大幅に下回った。金融システム不安の影響も相まって米長期金利が低下幅を拡大するとドル/円は約1カ月ぶりに132.20円前後まで下値を切り下げた。

(5):スイス中銀 事態の鎮静化に乗り出す

スイス中銀(SNB)とスイス金融市場監督局(FINMA)は共同声明を発表。「クレディ・スイスは、システム上重要な銀行に課される資本および流動性要件を満たしている」「必要であれば、SNBは流動性を提供する」と表明して事態の沈静化に乗り出した。

15日(水)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:不安定な動き継続

昨日のドル/円は欧州市場で急落。アジア市場は米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を巡る懸念が和らぐ中で135.11円前後まで上昇したが、欧州市場に入りスイス大手銀行クレディ・スイスの経営不安が台頭すると132円台へと一気に下落した。NY市場序盤には米2月生産者物価指数(PPI)の鈍化を受けて132.20円前後まで下値を切り下げた。その後はショートカバーでやや持ち直したが、前日比0.6%安の133円台半ばで取引を終えた。

クレディ・スイスを巡る懸念については、前日に過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったと表明したのに続き、この日は同行の筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加支援の可能性を否定した。いくぶん性質が違うとはいえ、金融不安が米国から欧州へと波及したことで、本日も円が買われやすい地合いが継続しそうだ。

もっとも、欧州発のリスクを回避する動きが強まればドルも買われる公算が大きい。円買いとドル買いの綱引きになることでドル/円は不安定な値動きが続くと見るが、下値を大幅に拡大する展開にはなりにくいだろう。

注目の経済指標:ECB政策金利

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注目のイベント:ラガルドECB総裁会見

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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