外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年3月20日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼17日(金)の為替相場
(1):中国人民銀行 預金準備率を引き下げ
(2):ユーロ圏消費者物価指数 下方修正
(3):OECD 世界成長率見通しを上方修正
(4):米経済指標を受けて米長期金利低下
(5):クレディ・スイスを巡る報道でリスク回避の円高進行

▼17日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:132円台を中心に推移しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

17日(金)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)
期間:17日(金)午前6時10分~18日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):中国人民銀行 預金準備率を引き下げ

中国人民銀行が市中銀行の預金準備率を0.25%引き下げると発表。3月27日から実施され、ほぼ全ての銀行が対象となる。人民銀は「合理的かつ十分な流動性を維持」し、マネーサプライ(通貨供給量)の伸びを名目経済成長率に沿ったものにするよう目指すと説明した。

(2):ユーロ圏消費者物価指数 下方修正

ユーロ圏2月消費者物価指数(CPI)・改定値は前年比+8.5%となり、予想通りに速報値の+8.6%から下方修正された。

(3):OECD 世界成長率見通しを上方修正

経済協力開発機構(OECD)は最新の世界経済見通しを発表。世界成長率見通しは23年を2.6%(前回2.2%)に上方修正した。国・地域別では、米国が23年1.5%で前回予測から1.0%ポイント上方修正、中国は5.3%と前回予測から0.7%ポイント上方修正、ユーロ圏は23年0.8%と前回予測から0.3%上方修正、日本は23年1.4%と前回予測から0.4%下方修正した。

(4):米経済指標を受けて米長期金利低下

米3月ミシガン大消費者態度指数・速報値は63.4と前月(67.0)から低下し、予想(67.0)を下回った。消費者の期待インフレ率も1年先が3.8%、5-10年が2.8%といずれも前月(4.1%、2.9%)から低下した。これを受け、米長期金利が低下幅を拡大するとドル/円は132円を割り込んだ。なお、これより前に発表された米2月鉱工業生産は前月比±0.0%と予想(+0.2%)を下回った。同設備稼働率は78.0%だった(予想78.4%)。

(5):クレディ・スイスを巡る報道でリスク回避の円高進行

一部通信社が「ドイツ銀など少なくとも大手4銀行がクレディ・スイスとの取引に制限を設けた」との報道じた。これを受け、金融株を中心に米株が下落幅を拡大する中、リスク回避の円買いが強まった。ただ、その後、別のメディアが「UBSがクレディ・スイス全体または一部買収で協議中」と報じたことで、円はNYクローズにかけてやや売り戻された。

17日(金)の株・債券・商品市場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

<外為注文情報はこちら>

外為どっとコム トゥデイ
【情報提供:外為どっとコム】
  • ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

人気通貨ペア 本日の予想レンジ

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

ドル/円の見通し:132円台を中心に推移しそう

17日のドル/円は終値ベースで約1.5%下落した。欧米の金融不安が高まる中、週末を控えた持ち高調整の動きも相まって断続的にドル売り・円買いが流入。NY市場では2月14日以来の安値となる131.56円前後まで下落する場面もあった。

経営不安が高まっていたスイス銀行大手のクレディ・スイスについては、同じくスイス銀行大手のUBSが買収を決定。金融危機への発展を回避するために、スイス当局主導で週末のうちに買収をまとめ上げたとされる。市場はひとまずこれを好感している模様で、今朝のドル/円は132円台へと強含んでいる。クレディ・スイスの買収決定で円高リスクもひとまず後退したと言えるだろう。 このあとも買収を好感する動きが続けば133円台の回復も見えてきそうだ。

もっとも、市場の関心は次第に明日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かう公算が大きい。市場では欧米中銀の利上げが景気の重荷になるとの懸念も根強い。欧米の株式・債券市場の動きにも注目したい。本日のドル/円は132円台を中心に推移しそうだ。

注目の経済指標:特になし

特になし

注目のイベント:ラガルドECB総裁講演

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。