メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)


総括

FX「次回政策金利は0.25%利上げか、月間最下位も年間首位は維持」メキシコペソ見通し

予想レンジ 6.8-7.3

 (ポイント)
*3つのペソ円下落要因が集中し、3月は一時7円を割った
*米・スイスの金融不安が和らぎペソの下落は一服
*3月30日に政策金利決定、025%利上げか
*インフレは徐々に低下も、まだ水準は高い
*中銀も利上げを示唆している
*株式市場改革法案が第2四半期に提出される
*メキシコのファンダメンタルズは強い
*2024年に大統領選挙がある
*円高にも注意
*ボルサ株価指数は年初来8.34%高に上げ幅縮小
*4Qの経常収支は赤字から黒字へ転換
*郷里送金とニアショア投資がペソを支える
*国内経済は2022年に約3%拡大

(ペソは3月最弱も年間最強は維持。3つのペソ安要因。円は3月最強)
 ペソ円は現在7.04で年初来4.76%高、依然最強通貨だが、3月初めに7.643をつけ13.735%高まで伸ばしていたので3月はここまで急落と言える。

それには3つの要因がある。1つ目は2月のメキシコのインフレが低下し利上げ減速論が現実化してきたことがある。次回は1月の0.5%利上げから0.25%利上げに縮小する予想が出てきたこと。

 2つ目は隣国の米国でシリコンバレー銀行の破たんが起きて、米国経済も減速しメキシコ経済も連れて成長速度を落とすのではないかという観測が出てきたこと、
 3つ目はさらにスイスのクレディスイス銀行にも信用不安が起きて、世界的な金融ショックの事態となり、リスク回避で新興国通貨が売られ、有事に強い円が買われたことだ。円は3月初めは12通貨中11位にいたが現在は6位へ浮上しペソを押し下げた。利上げ減速、米国信用不安、スイス信用不安での有事の円買いが続きペソは急落した。

 世界の金融当局は迅速に流動性を供給し、漸く市場も落ちついてきて、上述の2つ目、3つ目のペソ安要因が剥げ落ちてきた。ただ貿易需給が改善している日本の円高要因は残る。ニアショアリングで勢いづくメキシコのファンダメンタルズは強いが、3月はここまで海外金融ショックと円高の波にのまれた。ただ金融市場の落ち着きとともにペソも回復しよう。

(エスピノサ中銀副総裁)
 エスピノサ中銀副総裁は、インフレを抑えるには、まだ金利を引き上げる必要があると述べた。食品などの不安定な品目を除いた物価上昇の指標に言及し、「コアインフレは低下に非常に抵抗している。インフレ圧力の源がそこにあることは明らかであり、追加の金融努力が必要だ」
 3月30日の次の決定で0.25%利上げすると予想されている。

 また副総裁は、メキシコの銀行システムは、資本が充実しており、共通の規制の枠組みを持っているため、最近他の国を襲ったようなショックから安全であると考えていると語った.

(もう一人の副総裁のボルハ中銀副総裁は)
 ボルハ中銀副総裁は、メキシコ中銀の主な焦点はインフレへの取り組みだと、米国と欧州の市場を揺るがす銀行危機の恐怖が中央銀行の金融政策にどのような影響を与える可能性があるかを尋ねられたとき、述べた。
 副総裁は「多くの変数が関係してくる」と語った。「しかし、主なものはインフレであり、それが私たちの使命だ」付け加えた。

(米金融破たんでメキシコの銀行は=ロドリゲス中銀総裁)
 ロドリゲス中銀総裁は、メキシコは現在、金融システムを保護するための介入措置を講じていないと述べたが、必要に応じて、メキシコは必要な措置を講じると語った。破綻した米国の銀行は、他の銀行に体系的に影響を与えていないという点で非常に特殊な状況にあると付け加えた。

(3月前半消費者物価は減速傾向)
総合は予想・前回を下回ったが、コアは前回を下回ったが予想通りとなった

・総合 前年比 7.12% 前回 7.76% 予想7.26%
・コア 前年比 8.15% 前回8.38% 予想8.15%

(メキシコ1月小売売上)
 メキシコ1月小売売上は前年比5.3%増、前回の2.5%、予想の3%を上回った。毛財指標は依然強い。懸念は米国景気動向だ。

テクニカル分析

日足、5日線下向き、20日線を下抜く、ボリバン3σ下限から小反発

 ボリバン3σ下限から小反発。まだ雲中。3月21日-23日の上昇ラインがサポート。3月22日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、2週連続陰線後、今週はもここまで陽線。ボリバン2σ上限から下落し一時中位を割り込も回復。5週線、20週線下向き。12月19日週-3月20日週の上昇ラインがサポート。3月6日週-20日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、1月、2月は陽線。今月はここまで陰線。22年3月-23年1月の上昇ラインがサポート。5か月線下向く、20か月線は上向き。
 年足、一時22年の長い上ヒゲを上抜くも、その後23年も長い上ヒゲに転じる。21年-22年の上昇ラインがサポート。 

メキシコペソ見通し
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VAMOS MEXICO

株式市場改革法案

 メキシコの副財務大臣は、株式市場改革法案が第2四半期に提出されると述べた。
メキシコ証券取引所の責任者は、株式市場の改革が今後 3 か月以内に実施され、より多くの企業を引き付けると述べた(詳細不詳)。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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