主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月5日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼4日(火)の為替相場
(1):RBA利上げを一時停止
(2):ユーロ圏PPIは鈍化
(3):米JOLT求人件数 2021年5月以来の低水準に
(4):ピル英MPC委員 追加利上げを示唆
▼4日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:次第に上値が重くなりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
4日(火)の為替相場
期間:4日(火)午前6時10分~5日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA利上げを一時停止
豪中銀(RBA)は大方の予想通りに政策金利を3.60%に据え置き、利上げを一時停止した。声明で「これまでの利上げの影響と経済見通しを評価するさらなる時間を確保するため、理事会は金利を据え置くという決定を下した」と説明。その上で「インフレ率を目標値に戻すために、さらなる金融政策の引き締めが必要になる可能性が十分にあると予想している」として、利上げの再開にも含みを持たせた。
(2):ユーロ圏PPIは鈍化
ユーロ圏2月生産者物価指数(PPI)は前年比+13.2%と前月の15.1%から鈍化。市場予想は+13.3%だった。
(3):米JOLT求人件数 2021年5月以来の低水準に
米2月JOLTS求人件数は993.1万件と市場予想(1050.0万件)を下回り2021年5月以来の水準に減少。ひっ迫していた米労働需給が緩和し始めたとの見方から米長期金利が低下するとともにドルが急落した。ドル/円は132円台を割り込んで下落。米国景気の減速感が強まる中、株価が下落したことでクロス円も売りが優勢となったが、ストレートドルの上昇に支えられて下落ピッチはいくぶん緩やかだった。
(4):ピル英MPC委員 追加利上げを示唆
英中銀(BOE)のピル金融政策委員会(MPC)委員は「これまでに実施した大幅な金融引き締めの影響は近く顕在化する」との見方を示しながらも「インフレ抑制に十分な利上げが行われたか、まだ確信できない」と述べた。5月の追加利上げの可能性が高まったとの見方からポンドが対ドルで上昇した。ただ、対円ではドル/円の下落が重しとなり伸び悩んだ。
4日(火)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:次第に上値が重くなりそう
昨日のドル/円は米長期金利の低下を受けて131円台へと続落。133.17円前後まで強含む場面もあったが、NY市場に入ると米2月JOLT求人件数が予想以上に減少したことで131.52円前後まで急落した。市場では、米労働市場の軟化が意識され米連邦準備制度理事会(FRB)が5月の利上げを見送るとの見方が優勢となった。米国景気の下振れリスクがくすぶる中、ドル/円の下値警戒ムードもくすぶり続けよう。
本日は5・10日につき本邦実需のドル買いが先行する可能性もあるが、海外市場にかけて次第に上値が重くなりそうだ。NY市場では米3月ADP全国雇用者数と米3月ISM非製造業景況指数の結果が注目される。
注目の経済指標:米ADP雇用統計とISM非製造業景況指数
注目のイベント:米週間原油在庫統計
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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