人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「人民元は基軸通貨になれるのか。経済指標改善、低インフレ」人民元見通し

(通貨6位、株価7位)

予想レンジ 人民元/円19.2-19.7

(ポイント)
*米国は中国が国際基軸通貨であるドルの弱体化を望んでいるという
*人民元は中程度の強さを維持
*中国の指標は軒並み改善し、成長率見通しが上方修正されている
*低インフレは続く
*米中関係は停滞
*G7は中国回避か中国とのデカップリングも焦点
*金融は緩和気味。預金準備率(RRR)引き下げ
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
 *対米、対独の2022年の貿易額は過去最高

(人民元は基軸通貨になれるのか)
 最近、人民元のさらなる国際化、基軸通貨などの意見が出ている。中国経済が拡大化し、世界の多くの国が中国を最大の貿易相手国としている。ただ人民元の相場決定は米ドルの構成比が大きいバスケット制度であり、香港ドルは米ドルペッグ制だ。市場原理に基づいた為替相場ではなく、管理相場だ。それでは基軸通貨とは言えない。

もちろん、日本が貿易黒字で急激な円高が進んだことも見ているので、人民元を自由に取引させて混乱を招くことも望んでいないだろう。今の所は、米国に経済制裁を課され、ドル資金を拘束されているロシア等の意見が強い。中国が早急に人民元を自由化することもないだろう。

(人民元は中程度の強さを維持)
依然、中程度の強さを維持。景気は回復途上にある。3月の貿易統計で、輸出は前年比14.8%増加し、5カ月連続の減少に終止符を打った。予想は7.0%減。 太陽電池製品や新エネルギー車、リチウム電池の好調な出荷が伸びをけん引した。サプライチェーンの状況改善が続いたことにも支援された。輸入は前年比1.4%減で、予想の5.0%減よりも小幅なマイナスにとどまった。 大豆を中心とする農産物の輸入が拡大し、原油、鉄鉱石も増加した。貿易収支は881.9億ドルの黒字。予想は392億ドルの黒字だった。

(1Q・GDPなど順調に回復)
1Q・GDPは前年同期比4.5%増加した。伸び率は昨年4Qの2.9%から加速し、1年ぶりの高水準を記録。予想の4.0%も上回った。

3月の鉱工業生産は前年比3.9%増と、1-2月の2.4%増から伸びが加速したが、予想の4.0%増はやや下回った。

3月の小売売上高は前年比10.6%増加し、1-2月の3.5%増から加速。予想の7.4%増も大きく上回った。

1-3月の固定資産投資は前年比5.1%増で、1-2月の5.5%増から減速。予想は5.7%増。

(低インフレ)
一方低インフレが続いている。インフレ率が一段と鈍化すれば、今後数週間以内にLPRが小幅に引き下げられる可能性がある。また輸出大国でもある中国が低インフレを背景に輸出を加速すると世界の高インフレ抑制にも影響しよう。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン2σ上限に達してから小反落も上限近くで推移

日足、ボリバン2σ上限に達してから小反落も上限近くで推移。雲の上には出ている
4月14日-19日の上昇ラインがサポート。4月18日-19日、3月3日-4月18日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、雲中。2月27日週-4月17日週の下降ラインが上値抵抗。4月3日週-10日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ下限から回復。
 月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。4月は陰線スタートも陽転。ボリバン中位を下抜けず。23年1月-3月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。

人民元見通し
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チーファンラマ

イエレン財務長官、本日の講演で対中優先課題を公表

 イエレン財務長官は4月20日、米中の経済関係に関するバイデン政権の優先課題を示す。「米国の国家安全保障を確保し人権を守る」ことや、「米国の労働者および企業が平等な土俵で、健全かつ互恵的な経済競争」を行える必要性を訴える。気候変動、途上国の債務軽減、マクロ経済の安定といった世界的な問題を巡り、米中が協力関係を築くことも優先課題に挙げる。
同時に米経済の根本的な強さについても強調する見通しだ。
米中関係の緊迫化により、両国の首脳や高官による会談は最近見送られている。ただイエレン氏は先週、北京を訪れて新たに着任した経済関係のトップらと会談したい意向に変わりはないと述べた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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