変わるか主力事業
トリドールホールディングスは1985年に兵庫県加古川市で焼鳥居酒屋「トリドール三番館」を開業したのが始まり。「丸亀製麺」を開業したのは2000年で、2011年には国内で500店舗を、2018年には世界で1000店舗を達成した。
この間、ぼっかけ焼きそば専門店「長田本庄軒」(2004年)や、醤油ラーメン専門店「丸醤屋」(2005年)、揚げたて天ぷら定食専門店「まきの」(2006年)を開業するなど業容を拡大していった。
他企業への出資や買収についても積極的で、2016年にマレーシアでヌードルショップ「Boat Noodle」を運営するUtara 5 Food and Beverage Sdn Bhdに出資したのをはじめ、同年には英国のラーメン店「昇龍」を運営するSHORYU HOLDINGS LIMITEDに出資。翌年の2017年にはヘアカラーの専門店「fufu」を運営するFast Beautyに出資した。
さらに2018年には米国で「Pokéworks」を運営するBeyond Restaurant Group, LLCと、シンガポールで日本式カレー業態「MONSTER CURRY」を運営するMC Group Pte. Ltdに出資。2020年にはデリバリー専門の「Ghost Kitchens」を運営するゴーストレストラン研究所に出資した。
並行して企業買収にも力を入れており、2017年に大衆酒場「晩杯屋」などを運営するアクティブソースと、背脂系濃厚とんこつラーメン専門店の「ずんどう屋」を運営するZUNDをそれぞれ買収。その後は2018年の香港Tam Jai International Co. Limited、今回の英国Fulhamへとつながっていく。
中長期経営計画ではこうしたM&Aによる新たな業態獲得と並んで、世界中で新規有力バディ(同社の経営方針に共感する企業)との協業による新しい業態の開拓にも取り組む計画だ。
M&Aとコラボが両輪となって進めば、うどん店を主力とする現在の姿は大きく変わることになる。2028年3月期に主力事業として君臨しているのは、どんなタイプの飲食業だろうか。
文:M&A Online