『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』

<ZUU Online編集部の感想>
・お金に困らない生活を手に入れるための第一歩となる本
・今すぐ真似できる習慣だらけ。続ければ3年後富裕層になれると確信した。

小林義崇(こばやし・よしたか)
小林義崇(こばやし・よしたか)
1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。

2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、ウェブメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、登録者数3万人超のYouTubeチャンネル『フリーランスの生活防衛チャンネル』にてお金に関する情報発信を行っている。

今回はベストセラーとなった、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』の著者、小林義崇さんに、富裕層にはどんな人が多いのか、という点や、富裕層の投資に対する価値観・金銭感覚についてお話を伺いました。お金に困らない生活を手に入れるため、今すぐ真似すべき富裕層の習慣もお伝えしますので、読んで実践し、お金持ちへの第一歩を踏み出してください。

ー 本著書をご執筆されるに至った背景をお聞かせください。

小林さん:この本を出したのは、私が運営するYouTubeチャンネルがきっかけです。普段は自営業者向けに、節税や補助金に関する情報を提供しています。「国税専門官として相続税調査を行ってきた経験を活かそう」あるとき、そう思い立ったんです。実体験をもとに「お金持ちとはこういう人だよ」と、富裕層の生の姿を伝えたら面白いのではと。実際に公開したら、すさまじい反響がありました。

それをダイヤモンド社の斎藤さん(編集者)が見つけてくださり、縁あって執筆することが決まりました。

「死に金は使わない、しかし投資すべきところには投資する」富裕層の金銭感覚

富裕層は1円たりとも死に金を使わない

電話代さえケチるからお金が貯まる

拍子抜けするほど、普通の暮らしぶりだった

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

ー 富裕層の暮らしぶりについて、「富裕層は1円たりとも死に金を使わない」という言葉がとても印象的でした。実際に富裕層はケチな人が多いのでしょうか。

小林さん:相続税調査に携わるまでは、富裕層の生活は未知の世界でした。しかし相続税調査の仕事では、質素な生活ぶりに驚かされることが多かったです。

ただ、富裕層がむやみにケチというわけではありません。彼らは、投資するべきところに投資し、必要のない出費を避ける傾向があります。例えば、不動産投資などにお金を使いつつ、生活費や光熱費を節約するなど、メリハリを大事にしていると感じます。

長期の資産形成・ほったらかしが富裕層への第一歩

富裕層は長期的なスパンで投資する

富裕層が無意識にやっている長期投資は、投資を成功させる王道

倹約が身についていないと、長期投資はできません

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

ー 著書には、堅実で長期的な投資を続ける精神やスタンスについて書かれていました。ギャンブルで一攫千金、というような方は少なかったでしょうか。

小林さん:富裕層の相続税調査では、ギャンブルをする人をほとんど見かけなかったです。裏を返せば、一攫千金でなくても富裕層にはなれる、ということです。富裕層だから高収入だったとも限りません。一般的な収入であっても、コツコツ貯金をしたり、投資をしたりして富裕層になることができるのです。

ー 本に描かれている富裕層の暮らし向きや振る舞いなど、「29の習慣」を「真似することから」始めれば、誰でも富裕層になれるわけですね。

「何かの種を蒔くような」お金の使い方ー教育費に糸目をつけない富裕層の戦略的資産形成術ー

富裕層になるほど教育費に多くのお金を支払っている

富裕層は高学歴な人も多く、教育費が意味のある支出であることを理解しています。

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

ー 富裕層は教育費にお金をかける傾向がある、と本にありましたが、電話代すらケチる富裕層のお金のかけ方、価値基準についてお聞かせください。

小林さん:金銭的なリターンに限らず、「何かを育てよう」という意識が、富裕層にはあると思います。まるで何かの種を蒔くような。そしてすぐに利益を得ようとするのではなく、長期的な利益を追求する点も特徴です。そこには数十年先、あるいは自分が亡くなった後、子供たちや将来に向けての視点があると感じました。

統計でも、高収入の人のほうが、教育費にかける割合が多いことがわかっています。もちろん子供への愛情もありますが、これには投資的な意図もあるといえます。教育にお金をかけることは、投資の観点でも理にかなっているのです。教育費をかけて高収入を得られる人物にすれば、結果的に一族の資産につながりますし、税金上も有効です。

また、富裕層は海外移住して相続税のない国に移ることもあります。例えば、スイスのプライベートバンクは、資産運用の相談だけでなく、教育についての相談も受け付けています。相続税対策のために、どの学校に子供を通わせるべきかなどの相談をする富裕層もいるようです。

参照:スイスの富裕層向け産業(2)莫大な世界の富裕層資産をプライベートバンク、ファミリーオフィスが運用 | 地域・分析レポート

ー 教育費のほかにも、著書に書かれていた、「多額の寄付をする富裕層」の姿が印象的でした。

小林さん:日本は欧米に比べて、寄付する人が少ない傾向にあります。そんな中でも、富裕層の方が寄付をしている事実を、相続税調査の仕事を通して知ることとなりました。そこには「恩返し」の精神があるのではと感じています。

事業で成功された方は「自分の力だけではない」と考える傾向があります。私自身、今の自分があるのは、周りの人や地域、自分よりも大きな力のお陰だと感じるんです。ですから富裕層の方が行う寄付は、そういった、周りに対する恩返しなのではと思っています。母校や故郷の役所などに寄付することで、循環が生まれ未来が発展する、そんな壮大な繋がりが、富裕層には見えているのかもしれません。

多くの富裕層が膨大な借金を抱える理由とは

富裕層は借金を資産形成に生かす

富裕層の多くが、実は膨大な借金を抱えている

富裕層が借金をするのは、実に合理的なこと

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

ー「 富裕層と借金」という一見相反する言葉ですが、著書に書かれていた富裕層の「借金の生かし方」は前向きで賢明だと感じました。一般人と、富裕層とでは、借金の捉え方が違うのでしょうか?

小林さん:私が国税専門官だったころ、最初は富裕層で借金を抱える方が多いことを不思議に感じていました。しかし富裕層と対話するうちに、借金をするのは、合理的なことだとわかったんです。投資のために土地を買ったり、会社を育てるためにお金を借りたりすることは、有効な手段です。

貯金だけで必要な資金を得るのは時間がかかりますが、お金を借りることで、早期に目的を達成できます。ただし、金利を支払う必要があるため、リスクとリターンは考慮しなければなりません。その上で十分なリターンが得られると判断できれば、積極的な借入れは賢明な選択といえます。

特に都会の土地など、優良資産を手に入れ価格上昇により資産額を増やすことは富裕層の戦略です。

富裕層から本音を聞き出すコツは本題から入らないこと

富裕層は礼儀と警戒心をあわせもつ
適切に「疑いの眼」をもつ

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

ー 富裕層の方は一定の警戒心を備えている、とのことでしたが、小林さんが富裕層の方とお話するときに気をつけていたポイントをお聞かせください。

小林さん:新人の頃に上司からよく言われたことがありました。それは、「いきなり本題から入るな」ということです。相続税調査などで必要な情報がある場合でも、それをいきなり聞くと相手に嫌われるし、そのことが原因で情報を得られなくなるリスクがあります。だから、最初は亡くなった方の人柄や経歴など、雑談的な話から始めて、核心に近づくようにしていました。

話したくないことは避けるなど、相手の気持ちを考えて話を進めるようにします。また、富裕層であっても、一人の人間であることを忘れずに、話しやすい雰囲気を作ることを意識しました。

本書で伝えた富裕層の習慣は、誰でもできることばかりですから、あとは自分の行動に活かすかどうかだけです。

引用:元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

まずは真似して、お金に困らない生活を

ー 東京国税局を退官し、フリーライターとして独立された小林さん、今後どのような発信をしていきたいと思われますか?

小林さん:これまでは節税や資産運用などお金持ちになる方法について、テクニカルに説明する本を書いてきました。しかし富裕層になれるかどうかは心の問題も大きいと思っています。今回の本でもそうですが、人としての在り方を伝えたいと思っています。富裕層の暮らしぶりや習慣には、お金に困らないためのヒントがあります。行動次第で富裕層になることは可能です。

ー 確かに、本に書かれていたのは、お金持ちになるために、誰でも真似できる方法だと感じました。お金持ちになりたいし富裕層への憧れもある、けれど自分が富裕層になれるとは思わない、諦めている、そんな方にメッセージをお願いします。

小林さん:本著書は、母子家庭で生まれ育った私自身の実体験もふまえ書いた本です。過去を振り返ると、お金に左右される人生で、挑戦をあきらめることもありました。大学も、やりたいことが何かという視点でなく、いかにスムーズに収入を得られるか、という視点で選んだんです。私のように、お金の問題で自分の可能性を狭めてる人は、きっと多いと思うんです。私は幸いなことに国税局に勤め、業務をとおして富裕層の実態をみたことで第一歩を踏み出せました。ライターとして自分のやりたいことをやりながら、経済的にも豊かになれるとわかりました。この本は、何かに向かってチャレンジしたい人にとっても役に立つ、勇気になる一冊だと考えています。

ー富裕層の実態についてこれほどリアルに描いた本は、ほかにないのではと思います。そして同時にこの本は「長期でほったらかしの投資をする」「スッキリとしたストレスのない住環境にする」など、誰もが真似できる・実践できる富裕層の習慣を伝えています。多くの人があきらめずにやりたいことに挑戦できる世の中にしたい、という小林さんの信念が込められた一冊を手に取って、「お金持ちへの第一歩」を踏み出してみませんか。

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