主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月8日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼5日(金)の為替相場
(1):RBA金融政策報告 インフレ予想を下方修正
(2):ユーロ圏小売売上高は予想を下回る
(3):米雇用統計 総じて良好な結果
(4):米株価の上昇を支えにクロス円強含む
▼5日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:カギは株価や米債利回り動向/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
5日(金)の為替相場
期間:5日(金)午前6時10分~6日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA金融政策報告 インフレ予想を下方修正
豪中銀(RBA)は四半期に一度の金融政策報告を発表。今年6月時点のインフレ率トリム平均を6.0%と予測。前回の四半期報告での予想値(6.25%)から引き下げた。12月時点の同見通しも前回の4.25%から4.0%に下方修正した。もっとも、インフレはピークアウトしたものの「極めて高い」と警告。「生産性の伸びが弱いままの場合、高インフレ環境でコスト圧力緩和に伴い企業の利益率が拡大する場合、物価上昇と賃金の間に予想以上のフィードバックがある場合、賃料が予想以上に上昇した場合、インフレはより持続的になる可能性がある」と指摘した。
(2):ユーロ圏小売売上高は予想を下回る
ユーロ圏3月小売売上高は前月比-1.2%と予想(-0.2%)を下回り、前月に続いてマイナスを記録した。
(3):米雇用統計 総じて良好な結果
米4月雇用統計は非農業部門雇用者数が25.3万人増と市場予想(18.5万人増)を上回った。ただ、前月分は23.6万人増から16.5万人増へ下方修正された。米4月失業率は3.4%となり、1月にも記録した約54年ぶりの低水準に並んだ。なお、前月(3.5%)及び市場予想(3.6%)を下回った。平均時給は前月比+0.5%、前年比+4.4%といずれも予想(+0.3%、+4.2%)を上回る伸びとなった。総じて良好な結果と受け止められて米長期金利が上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が早い時期に利下げに転じるとの思惑が後退する形でドル買いが強まった。
(4):米株価の上昇を支えにクロス円強含む
S&P500が5日ぶりに上昇するなど米国株が上昇する中、クロス円が強含んだ。米4月雇用統計で同国の景気後退(リセッション)懸念が和らいだ。米株安を主導していた地銀株に週末を控えてショートカバーが入ったとの見方もあった。リスクオンの円売りとドル売りが交錯したためドル/円は伸び悩んだ。
5日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:カギは株価や米債利回り動向
5日のドル/円は米4月雇用統計を受けて4日ぶりに反発。米4月雇用統計は非農業部門雇用者数が25.3万人増加した上に、失業率は3.4%に低下するなど、米労働市場が予想以上に堅固であることが示された。平均時給の伸びが前年比+4.4%へ加速したこともあって、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げに転じるとの観測が後退。米長期金利の上昇を背景にドル買いが強まると一時135.12円前後まで上伸した。その後は週末を控えて伸び悩んだが、今朝はあらためて135円台に乗せるなど堅調にスタートしている。135円台に定着できるかが本日の焦点となりそうだ。
もっとも、いつもの通り米雇用統計明けで新規の手掛かり材料は乏しい。ドル/円は一旦下値を確認したことで底堅い推移を見込むが、一段の上伸に向けたカギはグローバルな株価や米債利回りの動向となろう。なお、経営不安で下落が続いていた米地銀株は5日に一斉に反発。本日の値動きが注目される。
注目の経済指標:独鉱工業生産
注目のイベント:米金融安定報告書
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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