外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2023年5月11日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼10日(水)の為替相場
(1):ECB高官 ターミナルレート間近を示唆
(2):米CPIを受けてドル円急落
(3):米債務上限問題を嫌気して株価下落

▼10日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米PPI次第で133.50円を試す流れ/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

10日(水)の為替相場

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期間:10日(水)午前6時10分~11日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):ECB高官 ターミナルレート間近を示唆

ドイツ連銀のナーゲル総裁は「利上げはまだ終わりではないし、コアインフレ率の抑制はなお必要」としながらも「景気抑制的と見なされる領域に金融政策が達したという意味で、欧州中銀(ECB)の仕事は最後の追い込みに入った」と利上げサイクルが終盤に近付いたとの認識を示した。その後、ポルトガル中銀のセンテノ総裁も「われわれはターミナルレート(政策金利の最終到達点)に近づいているはず」とし、「2024年のある時点から利下げが開始される」との見解を示した。

(2):米CPIを受けてドル円急落

米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と3月の+0.1%から加速したが、前年比では+4.9%に鈍化して(3月+5.0%)、市場予想の+5.0%を下回った。食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比+5.5%へ予想通りにやや鈍化した(3月+5.6%)。これを受けて6月の利上げ停止観測が高まり米長期金利が低下するとドル/円は134円台前半へと急落した。

(3):米債務上限問題を嫌気して株価下落

米4月CPIの鈍化を受けて小高く始まった米国株が、米債務上限問題を巡る与野党の対立を嫌気して反落。下げ幅を拡大する中で円買いが優勢となった。なお、バイデン米大統領はこの日、「連邦政府がデフォルト(債務不履行)に陥った場合、米経済はリセッション(景気後退)入りし、世界経済に壊滅的な影響を及ぼすだろう」と警告。債務上限の引き上げに応じるよう共和党への圧力を強めた。

10日(水)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

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ドル/円の見通し:米PPI次第で133.50円を試す流れ

昨日のドル/円は米4月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けて134円台へと反落した。米4月CPIは前年比+4.9%と市場予想(+5.0%)を下回り10カ月連続で伸びが鈍化。一部で上振れが警戒されていたコアCPIは前年比+5.5%で予想通りだった。これを受けて米長期金利が低下する中、134.12円前後まで下落。米4月CPIの発表前は135円台前半で推移していた。

本日のNY市場で発表される米4月生産者物価指数(PPI)にも注目が集まりそうだ。市場予想によれば前年比+2.5%へ鈍化が進む見通しとなっている。米4月PPIの発表後に連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げ停止観測が一段と強まれば、ドル/円は4日に付けた月初来安値の133.50円前後を試す流れとなりそうだ。米4月PPIと同時に発表される米新規失業保険申請件数の結果にも注目したい。

注目の経済指標:米生産者物価指数

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注目のイベント:ベイリーBOE総裁発言

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

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