メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「政策金利は据え置きか。米債務上限問題、米利上げ打ち止め観測もペソは強い、経済は強い」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.3-7.8

(ポイント)
*5月2日に年初来高値を更新、7.679をつけた
*中銀総裁は利上げ打ち止めを示唆もペソは底堅い
*政策金利を据え置く余地、議事要旨
*4月消費者物価は伸び幅鈍化
*経済指標は強い
*米国移民規制法タイトル42が失効、移民の増加も予想される
*政府はペソ高懸念示さず
*大統領はドル基軸体制を支持
*1Q・GDPは予想を上回る
*3月貿易収支は黒字に転換
*米国とメキシコのハイレベル経済対話 は有効
*通貨は年初来最強、株価指数も強い
*郷里送金とニアショア投資がペソを支える
*政府の成長見通しは3%と高い。民間予想の約倍
*政府のインフレ率見通しはを2023年は3.2%から5.0%へ引き上げ
*2024年に大統領選挙がある
*4Qの経常収支は赤字から黒字へ転換

(復元力も強い)
5月2日に2015年8月13日以来の高値7.681をつけた後、7.424まで下げたが復元力も強く、再び7.60台に乗せている(5月11日終値は7.64)。米国債務上限問題がこじれて、デフォルトすれば隣国メキシコにも悪影響が及ぶとされるが市場は落ち着いている。

(4月消費者物価は伸び幅鈍化、中銀総裁が利上げの一時停止を示唆)
 4月消費者物価は前年比6.25%で前月の6.85%から伸び率縮小、コアは7.67%で前月の8.09%から同じく伸び率が縮小した。依然、インフレは目標の3%から遠いが、着実に低下傾向にある。ロドリゲス中銀総裁が、5月18日の政策金利決定会合で利上げの一時停止を示唆している。ただペソは消費者物価発表後も売られていない。

(強い経済指標)
 経済指標は強い。4月自動車生産は前年比17.1%増で前月の13.1%増を上回った。自動車輸出も5%増で前月の3.9%を上回った。4月企業信頼感指数は52.6で前月と同じ、予想の52を上回った。製造業PMIは51.1で前月の51や予想の50を上回った。消費者信頼感指数は44.1で、これは前月の44.4を下回った。3月失業率は2.4%で前月の2.7%から大きく改善した。
ニアショアリングで生産が刺激され、漸増する郷里送金で消費が盛り上がる。これが予想を上回る前年比3.9%増の1Q・GDPに繋がった。

(政府からペソ高懸念は聞こえない)
ペソは昨年最強通貨、今年もここまで最強通貨。今のところは政府からペソ高懸念は聞こえない。ヨリオ財務副大臣は郷里送金とマクロ経済要因に支えられて、メキシコペソは引き続き強いと予想していると述べた。

(タイトル42終了、移民問題)
 米国が移民を速やかに国外追放することを可能にしたパンデミック時代の規則であるタイトル42を米国が終了する中、米国とメキシコの国境に到着する移民の数が増えている。
 その代わりにバイデン政権は、亡命希望者に限定的な法的手段を設けながら、国境越えの阻止と管理を目的とした新旧の寄せ集めの国境政策を実施している。

テクニカル分析

ボリバン上限から小反落

 日足、5月2日にボリバン3σ上限近くへ急騰、その後中位へ下落、そして再び2σ上限近くまで上げている。5月5日-11日の上昇ラインがサポート。5月2日-11日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン上位で推移。雲の上。5週線、20週線上向き。4月24日週-5月1日週の上昇ラインがサポート。5月1日週-8日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、ボリバン上位で推移も横ばい。1月、2月は陽線。3月は下へ突っ込むも、
後半戻す。4月は陽線。1月-3月の上昇ラインがサポート。5か月線上向く、20か月線は上向き。
 年足、一時22年の長い上ヒゲを上抜くも、その後23年も長い上ヒゲに転じる。21年-22年の上昇ラインがサポート。

メキシコペソ見通し
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VAMOS MEXICO

メキシコ大統領、ドル基軸通貨体制を支持

ロペスオブラドール大統領は、ドルを世界の基軸通貨とする考えが望ましいとの姿勢を示した。
ドルの力が弱まればメキシコは外貨準備の分散化に動く可能性があるかと聞かれると「われわれはドルを世界第一の通貨とみなし続けるだろう。われわれには他の通貨に移行すべきでない理由が十分にある」と語り、メキシコと米国は経済面でますます緊密化しつつあると強調した。
同じ中南米の左派政権を率いるブラジルのルラ大統領は、南米地域間など特定の貿易環境においてはドルに代わる決済手段への支持を表明している。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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