主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月19日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼18日(木)の為替相場
(1):本邦貿易収支 21カ月連続で赤字
(2):弱い豪雇用統計 RBAの追加利上げ期待が後退
(3):米経済指標 要人発言受けて ドル円約6カ月ぶりの高値
(4):米下院議長発言受けて株価が上昇
▼18日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:強い上昇トレンド 下値は限定的/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
18日(木)の為替相場
期間:18日(木)午前6時10分~19日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦貿易収支 21カ月連続で赤字
日本4月貿易収支(通関ベース)は4324億円の赤字だった。原油輸入価格の下落などを背景に赤字額は市場予想(6000億円)を下回ったが、21カ月連続の赤字となった。
(2):弱い豪雇用統計 RBAの追加利上げ期待が後退
豪4月失業率は3.7%と前月および市場予想(3.5%)を上回った。同新規雇用者数は0.43万人減と、予想(2.50万人増)に反して減少した。労働参加率は前月から変わらずの66.7%で予想通りだった。弱い雇用統計を受けて豪中銀(RBA)の追加利上げ期待が後退した。
(3):米経済指標や要人発言受けて ドル円約6カ月ぶりの高値
米新規失業保険申請件数は24.2万件と予想(25.1万件)を下回り、前週(26.4万件)から減少した。また、米5月フィラデルフィア連銀景況指数は-10.4と予想(-20.0)を上回り、前月(-31.3)から改善した。直後にはダラス連銀のローガン総裁が「現在のデータは利上げ停止を正当化しない」と発言したことが伝わった。これらを受けて米長期金利が上昇するとドル/円は約5カ月ぶりに138円台を回復した。なお、その後もドル/円は上昇を続け、NY市場終盤には138.75円前後まで上伸して2022年11月30日以来の高値を付けた。
(4):米下院議長発言受けて株価が上昇
共和党のマッカーシー下院議長が債務上限引き上げについて「合意が近くまとまり、来週に下院で採決する道筋が見える」と発言したことが伝わった。これを受けて、NYダウ平均がプラス圏に浮上するなど米国株が堅調に推移。リスク選好ムードが広がる中で円が全般的に下落した。
18日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:強い上昇トレンド 下値は限定的
昨日のドル/円は、年初来高値を更新して続伸した。前日に続きNY市場でドル高・円安が加速。新規失業保険申請件数など米経済指標の好結果とローガン・ダラス連銀総裁のタカ派発言を受けて米長期金利が上昇する中、昨年11月以来の高値となる138.75円前後まで上値を伸ばした。市場では、連邦準備制度理事会(FRB)が6月の利上げを見送るとの観測が後退。米金利先物が織り込む6月利上げの確率は前日の28%から36%へ上昇した。
ドル/円は強い上値抵抗だった137円台後半を明確に上抜けたことで上昇余地が拡大したと考えられる。昨年10月高値151.94円前後から今年1月安値127.23円前後への下げ幅の半値戻しにあたる139.59円前後が次の上値ターゲットになりそうだ。さらに、心理的節目の140.00円も視界に捉えている。今週の大幅高を踏まえると、本日は週末を控えた持ち高調整の売りも想定されるが、強い上昇トレンドの中では下値は限定的だろう。
注目の経済指標:特になし
特になし
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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