主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月31日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(火)の為替相場
(1):豪ドル 人民元安やアジア株の軟化を背景に下落
(2):財務相・金融庁・日銀の三者会談開催
(3):米消費者信頼感指数は予想を上回る
▼30日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:調整含みの動きが先行しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
30日(火)の為替相場
期間:30日(火)午前6時10分~31日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪ドル 人民元安やアジア株の軟化を背景に下落
豪4月住宅建設許可件数は前月比-8.1%と予想(+2.0%)に反して11年ぶりの大幅な減少となった。豪ドルは発表直後こそ大きな反応を見せなかったが、人民元安やアジア株の軟化を背景にその後91円台前半へと下落した。
(2):財務相・金融庁・日銀の三者会談開催
財務省・金融庁・日銀が国際金融資本市場について情報交換会合を開催すると報じられると、円安けん制への警戒感が高まり円を買い戻す動きが強まった。直前に140.93円前後まで上昇して昨年11月23日以来の高値を付けていたドル/円は140円台前半へと急落。クロス円も軒並み下落した。その後、神田財務官が会見を行い、為替相場について「過度な変動は望ましくない」「必要であれば適切に対応する」「必要であればあらゆるオプションを否定しない」「口先介入の狙いは全くない」などと発言した。
(3):米消費者信頼感指数は予想を上回る
米5月消費者信頼感指数は102.3と市場予想(99.0)を上回った。ただ、雇用に関する調査項目で雇用は「十分」と回答した割合が低下した一方、「不十分」の割合が増加するなど、米消費者の雇用情勢を巡る見方はやや悪化した。
30日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:調整含みの動きが先行しそう
昨日のドル/円は半年ぶり高値から反落。140.93円前後まで上昇して昨年11月23日以来の高値を付けたが、財務省・金融庁・日銀が情報交換会合を行うことが伝わると急落した。円安けん制への警戒感から円を買い戻す動きが活発化した上に、NYタイムには米長期金利の低下を受けたドル売りも相まって139.56円前後まで下値を切り下げた。終値で短期トレンドラインの5日移動平均線を割り込むのは今月11日以来。上昇トレンド一服の見方から月末最終日の本日は調整含みの動きが先行しそうだ。
もっとも、海外市場ではあらためて米6月利上げの可能性に焦点が当たる可能性もあろう。米4月JOLT求人件数の結果などがドル/円相場のカギとなりそうだ。そのほか、米下院では債務上限引き上げ法案の採決が日本時間28時30分に行われる見通しで、この結果にも注目が集まりそうだ。なお、下院を無事に通過できれば、その後の上院の承認プロセスは比較的スムーズに進むとの見方が一部に出ている。
注目の経済指標:米JOLTS求人件数
注目のイベント:米債務上限を巡る議会採決
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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