主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年6月5日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼2日(金)の為替相場
(1):米債務上限問題 ひとまず解決
(2):米雇用統計はマチマチの結果に
▼2日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:底堅く推移しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
2日(金)の為替相場
期間:2日(金)午前6時10分~3日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米債務上限問題 ひとまず解決
米上院は、債務上限の適用を2025年1月1日まで停止するとともに、今後2年間の連邦歳出に上限を設ける「財政責任法案」を賛成63、反対36の賛成多数で可決した。前日に下院を通過済みの同法案は、バイデン大統領の署名を経て成立する運びとなった。イエレン米財務長官が政府資金の枯渇するXデーとして示していた6月5日を目前に、米債務上限問題はひとまず解決した。
(2):米雇用統計はマチマチの結果に
米5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が33.9万人増と市場予想(19.5万人増)を大幅に上回った一方、失業率は3.7%と前月から0.3ポイント上昇した(予想3.5%)。また、平均時給は前月比+0.3%、前年比+4.3%であった(予想+0.3%、+4.4%)。マチマチの内容となったことで、発表直後のドルは売買が交錯したが、米長期金利の上昇につれて次第に買いが優勢となった。米金利先物は連邦準備制度理事会(FRB)が6月に政策金利を据え置き、7月に25bp(0.25%ポイント)の利上げを再開するとの見方を概ね織り込んだ。
2日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:底堅く推移しそう
2日のドル/円は米5月雇用統計を受けて反発。雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回った一方、平均時給の伸びは予想に届かなかった。また、失業率は予想以上に上昇した。マチマチの結果にドル/円は発表直後こそ乱高下したものの、米雇用市場は堅調との見方から次第に買いが優勢となり140.07円前後まで上昇。なお、この日の安値は東京市場で付けた138.60円前後だった。米5月雇用統計を受けて、金利先物市場では連邦準備制度理事会(FRB)が6月に利上げを見送り、7月に再開するとの観測が固まりつつある。つまり、来週13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は「タカ派的な金利据え置き」になるとの見方が増えている。
ドル/円はこうした見方に支えられて本日も底堅く推移しそうだ。もっとも、5月末に2日続けて上伸を拒まれた141.00円手前は強い上値抵抗として意識される可能性があり、年初来高値(140.93円前後)の突破は難しいかもしれない。
注目の経済指標:米ISM非製造業景況指数
注目のイベント:ラガルドECB総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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