主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年6月8日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼7日(水)の為替相場
(1):ロウRBA総裁 追加利上げを示唆
(2):豪GDPは予想に届かず
(3):中国貿易収支 輸出入ともに前年比で減少
(4):ECB高官タカ派的な姿勢を維持
(5):カナダ中銀 予想外の利上げ
▼7日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円が売られやすい地合いが続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
7日(水)の為替相場
期間:7日(水)午前6時10分~8日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ロウRBA総裁 追加利上げを示唆
豪中銀(RBA)のロウ総裁は、前日の利上げについて「適正な時間枠でインフレを目標に戻すことが狙い」と説明。2025年半ばまでにインフレ率が目標に戻るというRBAの見通しについて「上振れリスク拡大を最近のデータが示唆した」との見解を示した。「インフレとの闘いで勝利宣言は時期尚早だ」と述べて追加利上げの可能性を示唆した。
(2):豪GDPは予想に届かず
豪1-3月期国内総生産(GDP)は前期比+0.2%と市場予想(+0.3%)に届かなかった。前年比でも+2.3%と予想(+2.4%)を下回った。物価高などで、個人消費が前期比+0.2%に鈍化したことが影響した。
(3):中国貿易収支 輸出入ともに前年比で減少
中国5月貿易収支は658.1億ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(954.5億ドル)を大幅に下回った。輸出入ともに前年比で減少したが、輸出の落ち込みが前年比-7.5%と輸入(-4.5%)に比べて大きかった。
(4):ECB高官タカ派的な姿勢を維持
欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事は「基調的なインフレは依然として高い」「あとどのくらい利上げが必要かはデータが決める」と発言。その後、オランダ中銀のクノット総裁も「さらなる利上げが必要だろう」「インフレはしばらくの間、かなり高い水準を維持する可能性」と述べた。
(5):カナダ中銀 予想外の利上げ
カナダ中銀(BOC)は政策金利を4.50%から4.75%に引き上げた。前2会合で据え置いていたことから予想外の利上げ再開となった。これを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げも長期化するとの連想から米長期金利が上昇。直前に139.00円台へ下落していたドル/円は139円台後半へと切り返し、その後140円台を回復した。カナダ中銀のサプライズ利上げをきっかけに世界的に長期金利が上昇する中で円が独歩安となり、クロス円も上昇した。
7日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:円が売られやすい地合いが続きそう
昨日のドル/円は米長期金利の上昇を背景に140円台を回復。カナダ中銀が予想外の利上げ再開を決めたことで米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めも長期化するとの観測が広がった。一時139.03円前後まで弱含んでいたドル/円は、カナダ中銀の利上げをきっかけに切り返すと140.24円前後まで反発。終値は前日比0.4%高の140.18円前後だった。
一昨日には豪中銀(RBA)も利上げに踏み切るなど、世界的に中銀が再びタカ派姿勢を強めている。一方で、日銀の金融緩和修正観測は後退している模様だ。ブルームバーグのエコノミスト調査によると、9割が6月の政策据え置きを予想しており、7月の修正予想も35%にとどまった。米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中銀(ECB)理事会、日銀金融政策決定会合と続く来週の中銀ウイークを前に、円が売られやすい地合いが続きそうだ。
ドル/円の上値ポイントは今月5日に付けた140.45円前後と、先月30日に付けた年初来高値の140.93円前後。ただし、140円台後半では財務省筋などからの円安けん制が入ることも考えられる。口先介入で相場の流れを変えることはできないと見るのが妥当だが、一時的にせよ反落する可能性があるため注意が必要だろう。
注目の経済指標:米新規失業保険申請件数
注目のイベント:特になし
特になし
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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