主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年6月9日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼8日(木)の為替相場
(1):本邦GDP 一次速報から上方修正
(2):豪貿易収支 輸出が減少
(3):ユーロ圏景気後退入り
(4):米新規失業保険申請件数 前週から急増
▼8日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:様子見に傾きやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(木)の為替相場
期間:8日(木)午前6時10分~9日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦GDP 一次速報から上方修正
日本1-3月期国内総生産(GDP)・二次速報は前期比年率+2.7%と一次速報の+1.6%から上方修正。市場予想(+1.9%)も上回った。民間投資や企業在庫の増加がGDPを押し上げた。また、日本4月経常収支は1兆8951億円の黒字、同貿易収支は1131億円の赤字だった(予想:1兆6500億円の黒字、2879億円の赤字)。
(2):豪貿易収支 輸出が減少
豪4月貿易収支は111.58億豪ドルの黒字と、黒字額は予想(136.50億豪ドル)を下回った。輸出が前月比-5.0%と冴えなかった。輸入は前月比+2.0%だった。
(3):ユーロ圏景気後退入り
ユーロ圏1-3月期GDP・確報値は前期比-0.1%となり、速報値の±0.0%から下方修正された。2022年10-12月期の-0.1%に続く2四半期連続のマイナス成長でユーロ圏経済は定義上の景気後退となった。
(4):米新規失業保険申請件数 前週から急増
米新規失業保険申請件数は26.1万件と前週(23.3万件)から急増。市場予想(23.5万件)も上回った。2021年10月以来の高水準となったことで米雇用市場が冷え込む兆候かとの懸念が広がると米長期金利の低下とともにドル売りが強まった。
8日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:様子見に傾きやすい
昨日のドル/円は終値ベースで約0.9%下落。米新規失業保険申請件数の急増を受けて米長期金利が低下すると138.81円前後まで下落した。高値は早朝に付けた140.20円前後だった。もっとも、市場の米利上げ見通しに大きな変化は見られない。FF金利先物は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが見送られるものの、7月には25bp(0.25%)の利上げが行われることをほぼ織り込んだままだ。
昨日のドル安は一昨日のドル高の反動と見られ、米経済指標の悪化をきっかけに持ち高を調整する動きが強まったようだ。ドル/円は140円台の抵抗の強さを再確認したことで、本日もいくぶん上値の重い展開が見込まれるが138円台前半の下値は堅そうだ。なお、今月に入りドル/円は138.39円から140.45円前後の2円余りのレンジの中で一進一退の展開となっている。
来週には、米5月消費者物価指数(CPI)、FOMC、日銀金融政策決定会合と重要イベントが続くことから、週末を控えた本日は市場のムードが様子見に傾きやすいだろう。
注目の経済指標:中国CPI
注目のイベント:デギンドスECB副総裁講演
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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