主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年6月22日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼21日(水)の為替相場
(1):英CPI上振れ、BOE大幅利上げ観測浮上
(2):日銀総裁、粘り強く金融緩和を続ける
(3):ドル/円、連日の高値更新
▼21日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:大幅に上伸する公算は小さい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
21日(水)の為替相場
期間:21日(水)午前6時10分~22日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英CPI上振れ、BOE大幅利上げ観測浮上
英5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.7%、前年比+8.7%と市場予想(+0.5%、+8.4%)を上回り、英インフレのしぶとさが示された。エネルギー・食品・アルコール・タバコを除いたコアCPIは前年比+7.1%と前月(+6.8%)から加速して1992年以来の高い伸びとなった。
これを受けて英中銀(BOE)は翌日の金融政策委員会(MPC)で50bp(0.50%ポイント)の大幅利上げを検討する可能性があるとの見方からポンドが上昇。ただ、英長期金利の大幅上昇で景気の先行きを巡る懸念が広がるとポンドは買い一巡後に失速した。
(2):日銀総裁、粘り強く金融緩和を続ける
日銀の植田総裁は、国内外の経済や金融市場を巡る不確実性が極めて高い中、「経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していく」とあらためて表明した。
(3):ドル/円、連日の高値更新
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がこの日に下院で行う議会証言の原稿が公表された。「インフレを目標の2%に戻すにはまだ長い道のりがある」「参加者のほぼ全員が金利は年末までにいくぶん高くなると予想している」などとした上で、年内2回の追加利上げを示唆した米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策金利見通しについて「かなり良い予想だ」と表明。
その後の質疑応答では、金利見通しについて「さらなる利上げが理にかなうかもしれないが、そのペースは緩やかになるというものだ」と説明。ドル/円は証言原稿の発表後に142.37円前後まで上昇して7カ月ぶりの高値を更新したが、質疑応答が始まると141円台に押し戻された。
21日(水)の株・債券・商品市場
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:FRB議長証言消化でドル高は期待薄も円安主導で続伸も
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。年初来高値を再び更新したものの伸び悩んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は半期に一度の議会証言で、年内2回の追加利上げを示唆した米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策金利見通しについて「かなり良い予想だ」との見解を示した。これを受けて昨年11月以来の142.37円前後までドル高・円安が進んだが、チャート上の重要ポイントとして意識されている142.50円を前に戻り売りが優勢となり141円台へと押し戻された。
パウエルFRB議長の証言は、ややタカ派寄りながらもおおむね想定内と受け止められたようだ。議長は昨日の下院に続いて本日も上院で証言を行うが内容は昨日とほぼ同じと見られ、ニュアンスが大きく異なる発言がない限りドル/円への影響は限られよう。
こうした中、ドルの上値は本日も重いと見ておきたい。ただ、円安主導でドル/円が続伸することは十分に考えられる。スイス中銀(SNB)や英中銀(BOE)の利上げが確実視される中、日銀のハト派スタンスが際立つ可能性もあろう。仮に強い上値抵抗と見られる142.50円前後を突破すれば143円台への上伸に向けて弾みが付きそうだ。
注目の経済指標:BOE政策金利
注目のイベント:パウエルFRB議長議会証言
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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