総括
FX「高値更新の日々、2Q成長見通し強まる」メキシコペソ見通し
(メキシコの成長は西側の中国回避、ロシア拒絶の影響)
予想レンジ 8.2-8.7
(ポイント)
*ペソ円8.474円。約8年半振りの高値、高値更新の日々
*12週連続週足陽線となるか
*2Q・GDP拡大期待強まる
*23年の成長見通しも上方修正
*観光FDIも増加、ニアショリングの派生
*本日は5月外貨準備と雇用の発表
*政策金利11.25%で据え置き
*6月前半消費者物価は低下
*台湾TSMCもニアショアリング
*米墨金利差維持で上昇
*大統領選は2024年6月
*政府のインフレ率見通しはを2023年は3.2%から5.0%へ引き上げ
*メキシコの成長は中国回避、ロシア拒絶の影響
(2Q・GDPの拡大が期待できる数字が出た)
まやもや強い材料が出てきた。4月の経済活動指数は前月比0.8%上昇と前月の0.2%低下、予想の0.2%低下を大きく上回った。経済活動指数は「供給側からみたGDP」といわれ、国内経済の動向を把握するうえで重要な指標。4月の第一次産業の経済活動は3月に比べて1.2%増加し、第二次産業の活動は0.4%増加し、第三次産業の活動は1%増加した。4月の力強い経済結果は、労働市場の強さ、インフレ率の低下、連邦政府の福祉支出拡大、ニアショアリングの拡大など、さまざまな要因によるものだ。金融情勢の逼迫と外需の弱まりの影響を完全に相殺している。
(23年の成長見通しも上方修正)
メキシコ経済は2022年に3.1% 成長し、ロペスオブラドール大統領は最近、今年のGDPは4%拡大すると断言している。ただ世銀は漸くメキシコ経済の2023年の成長率予測を1月時点の予測0.9%から大幅に改善し2.5%としたところだ。
(高値更新の日々)
ペソ円は、11週連続週足陽線を先週達成、6月29日には2014年12月8日以来、約8年半振りの高値の8.474円をつけた。年初来では対円で25.15%高、対ドルで12.25%高と独歩高。
株価指数は年初来10.57%高で上昇一服 。10年国債は9%へ上昇。パウエル議長の利上げ示唆と米指標改善(昨日はGDP)による。
(最近の指標、消費者物価など)
6月前半の消費者物価は前年同期比5.18%上昇と、2021年3月以来の水準に鈍化した。前回は6%。5月貿易収支は僅かながらも740億ドルの赤字となった。
本日は5月外貨準備と雇用の発表がある。
(資本財輸入額は過去最高。ニアショリングで)
5月の資本財輸入額は過去最高に達した。ニアショアリング現象が拡大するにつれて、製造機械、工具、重機などの商品の需要も増加するからだ。
5月のメキシコへの資本財輸入額は、単月で初めて50億ドルを超えた。前年比24.1%増。また今年最初の5カ月で22.2%増加し、226億1000万ドルとなった。
テクニカル分析
高値更新の日々、12週連続週足陽線はなるか
日足、6月も陽線が多い。陰線は2日間だけ。6月28日にまたもや高値更新。ボリバン2σ上限。6月28日-29日の上昇ラインがサポートだが今日は下抜くか。次は6月26日-27日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、11週連続陽線、今週もここまで陽線。ボリバン2σ上限。5週線、20週線上向き。6月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン2σ上限。今年は3月だけ陰線も、その3月も下ヒゲが長かった。5月も陽線。今月もここまで陽線。4月-5月の上昇ラインがサポート。5か月、20か月線上向き。
年足、22年の長い上ヒゲを上9抜く大陽線。14年-22年の下降ラインを上抜く。21年-22年の上昇ラインがサポート。
VAMOS MEXICO
観光FDIも好調
メキシコの観光部門へのFDIは1Qに3億2,600万ドルに達した。
トルコ観光大臣は月曜、バハ・カリフォルニア・スル州、メキシコシティ、キンタナロー州が2023年1Qのメキシコの観光分野への海外直接投資(FDI)の最大の受け入れ先となったと報告した。メキシコの1Q FDI 総額186 億ドル強の約18%に相当。
観光分野へのFDIの4分の3強は、ホスピタリティサービスを備えた家具付きアパートや住宅、および「その他の総合サービスを備えた」ホテル。観光大臣によると、残りの24.5%の観光関連FDIは空港とヘリポートの管理に充てられたという。