主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月3日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼30日(金)の為替相場
(1):東京コアCPIは伸びが加速
(2):中国製造業PMIは僅かに改善
(3):本邦政府高官 円安けん制発言
(4):英GDPは速報値と変わらず
(5):ユーロ圏HICPは伸びが鈍化
(6):米PCEは鈍化
▼30日(金)の株・債券・商品市場
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30日(金)の為替相場
期間:30日(金)午前6時10分~1日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京コアCPIは伸びが加速
東京都区部の6月消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除いたコアベースで前年比+3.2%と市場予想(+3.4%)を下回ったが前月(+3.1%)から伸びが加速した。
(2):中国製造業PMIは僅かに改善
中国6月製造業PMIは49.0で予想と一致。前月(48.8)から僅かに上昇したが3カ月連続で好不調の分岐点である50.0を下回った。なお、同非製造業PMIは53.2(予想53.5、前月54.5)だった。
(3):本邦政府高官 円安けん制発言
鈴木財務相は「急速で一方的な動きも見られる」として為替市場の動きを「高い緊張感をもって注視する」と述べた。その後、松野官房長官も為替相場について「最近は急速で一方的な動きが見られる」「行き過ぎた動きには適切に対応する」と発言した。
(4):英GDPは速報値と変わらず
英1-3月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比+0.1%で速報値からの修正はなかった。
(5):ユーロ圏HICPは伸びが鈍化
ユーロ圏6月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+5.5%と予想(+5.6%)を下回り、前月(+6.1%)から伸びが鈍化した。一方、エネルギー・食品・アルコールなどを除いたコアHICPは前年比+5.4%と予想(+5.5%)は下回ったが、前月(+5.3%)から僅かに加速した。
(6):米PCEは鈍化
米5月個人消費支出(PCE)は前月比±0.0%と予想(+0.1%)に届かなかった。同PCE物価指数(デフレーター)は予想通りに前年比+3.8%へ鈍化(前月+4.3%)。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.6%と予想および前月(+4.7%)を下回る伸びとなった。