田中タスク
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エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、自らの投資スタイルを確立。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

実際に売りに出ている投資物件を購入して不動産投資をした場合、どの程度のリターンが見込めるのでしょうか。これは、不動産投資を始めてみたいと検討中の方にとって、大きな関心事の一つです。そこで本稿では、東京都内で売りに出されている「利回り6%」のアパートに投資をしたケースを想定して、5年間のトータルリターンをシミュレーションしてみました。

あわせて少額から始められる不動産投資として、近年注目を集める不動産クラウドファンディングについても紹介します。

目次

  1. 利回り6% のアパート物件を5年間運用すると収入30万円ほど
  2. 1万円から投資できる不動産クラウドファンディングで5年間運用したらどうなる?

利回り6% のアパート物件を5年間運用すると収入30万円ほど

トータルリターン30万円!?利回り6%の都内アパートに5年間投資したシミュレーション
(画像=kamiphotos/stock.adobe.com)

2023年7月の時点で実際に売りに出されている2つの収益アパート物件について、それぞれ5年間運用した場合のトータルリターンをシミュレーションしました。物件概要は、以下の通りです。

場所金額想定利回り物件構造
物件A東京都足立区1億6,000万円6.00%木造3階建て
アパート
物件B東京都杉並区8,800万円6.03%木造2階建て
アパート

それぞれの物件の購入は、金融機関の融資を利用したとします。金利相場は、オリックス銀行の「変動金利型年2.675 ~3.675%」や、三井住友信託銀行の「変動金利コース年2.575%」などを目安に、ここでは分かりやすく3%としました。

さらに分かりやすくするために購入費用の全額を融資で調達し返済期間は30年と想定、年間家賃収入から、ローン返済額、運用コストとして年間家賃収入の15%を差し引いて計算します。

それでは、物件Aと物件Bの5年間シミュレーションをしてみましょう。

【物件A】
前提条件
・借入額:1億6,000万円
・金利:3%
・返済期間:30年
・年間ローン返済額:809万4,792円
・年間運用コスト:144万円
・年間家賃収入:960万円

<5年間のトータルコスト>
(960万円×5年間) ー (809万4,792円×5年間)+(144万円×5年間)=32万6,040円

【物件B】
前提条件
・借入額:8,800万円
・金利:3%
・返済期間:30年
・年間ローン返済額:445万2,132円
・年間運用コスト:79万5,960円
・年間家賃収入:530万6,400円

<5年間のトータルコスト>
(530万6,400円×5年間) ー (445万2,132円×5年間)+(79万5,960円×5年間)=29万1,540円

フルローンのため、トータルリターンはあまり芳しくない結果となりました。なお、これらはいずれもアパートを購入できるだけの資金を用意できることが前提です。特に物件Aは1億6, 000万円もの投資規模になるため、融資を利用するとしても審査に通るだけの年収や資産、信用力が求められます。また、返済をしていくことで残債が減っていくことは頭に入れておきたいところです。

先ほどのシミュレーションでは計算を分かりやすくするために全額を融資で調達することを想定しましたが、実際には相当額の自己資金も必要になるでしょう。そのため、誰もが実行できるわけではありません。これが不動産投資の現実です。

1万円から投資できる不動産クラウドファンディングで5年間運用したらどうなる?

東京都内で利回り6%のアパートに投資をすること は十分な魅力があります。しかし「先立つものがない」と感じた方も多いのではないでしょうか。そこで提案したいのが、少額から始められる不動産投資の小口化商品、不動産クラウドファンディングです。

不動産クラウドファンディングならプロが厳選した不動産に1万円程度から投資できる案件が多いため 、投資家はリスクを抑えながら不動産投資のメリットを享受できます。不動産クラウドファンディングの案件は、事業者によって内容は異なるものの利回り5%程度のものが多い傾向です。

仮に 利回り 5%を想定して先ほどのアパート経営に要する資金を運用したとすると、それぞれの5年間リターンは以下のようになります。

・物件Aに相当する1億6, 000万円 ⇒ 4,000万円
・物件Bに相当する8,800万円 ⇒ 2,200万円

アパート経営よりもリターンが大きいのは、融資を利用しないため返済分がないからです。不動産クラウドファンディングでは、こんなに多額の資金が必要になるわけではなく、多くの案件では1万円から投資が可能です。1万円からの投資で東京都内のアパートを上回るような利回りを狙うことができるのは、不動産投資の「いいところ取り」である不動産クラウドファンディングの大きな魅力といえるでしょう。

(提供:YANUSY

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