総括
FX「南アの快進撃は7月も」南アランド見通し
「通貨10位、株価13位」
「予想レンジ 南アランド円7.7-8.2」
(ポイント)
*6月月間は最強通貨、7月も最強通貨か
*投資家、フィッチが南アを再評価
*買い要因は?
*今週は6月貿易収支や7月製造業PMIの発表
*成長見通しは微増、インフレ見通しは微減
*インフレ鈍化で政策金利据え置き
*8月BIRICS会議にプーチン氏出席せず
*5月の製造業生産が堅調
*停電は改善
*ズマ前大統領収監で支持者暴動への不安あり
*中国、オランダ、デンマークが電力問題で支援
*対米関係修復出来るか
*1Qはリセッションを回避
*難題(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
(快進撃)
快進撃は続く。7月はあと1日あるが、6月に続き、7月も月間最強通貨となるだろう。まだ年間では10位だが、7位以下の豪ドル、NZドル、人民元にも迫ってきた。インベストメントバンクが6月に割安感から南ア国債とランドを買い推奨してからの流れは続いている。
7月は円の急騰で一時ランド円も下落していたが、再び8円台に絡んできた。
(買い要因)
インフレがターゲット内へ戻ったこと、停電でも製造業生産が落ち込まなかったこと、黒字が続く貿易収支、中国の景気刺激策観測などがランドを支えた。
また前回も触れたがフィッチが、南アの信用格付けを、「BB-」に据え置き。見通しも「安定的」としたことも好感された。フィッチは大半が自国通貨建てである有利な債務構造と信頼できる金融政策の枠組みに支えられているとした。
(今週の注目指標)
今週は6月貿易収支や7月製造業PMIの発表あり。
(最近の中銀の声明と、総裁発言)
*2023年見通し
・2023年GDP成長率は0.4%(前回0.3%)
・23年CPIは前年比6.0%(前回は6.2%)
・23年のコアCPIは前年比5.2%(前回は5.3%)
*クガニャゴ中銀総裁発言
・電力制限が減少したことでGDP予想は改善
・利上げのサイクルが終わったわけではない、今後はデータ次第
・金利がピークに達したと言うことはできない
テクニカル分析(ランド/円)
週足、3週連続陽線
日足、ボリバン2σ下限から上位へ。5日線、20日線上向き。7月27日-28日の下降ラインが上値抵抗。7月12日-28日の上昇ラインがサポート。
週足、3週連続陽線。ボリバン2σ上限。雲中。7月17日週-24日週の上昇ラインがサポート。22年11月28日週-23年7月24日週の下降ラインが上値抵抗。。5週線、20週線上向き。
月足、6月は月間最強で大陽線、7月も陽線。雲の上維持。5月-6月の上昇ラインがサポート。22年11月-23年7月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り消すが、再び陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
日本の個人投資家の南ランド投資動向(南アフリカの新聞より)
*https://www.news24.com/fin24/markets/japanese-retail-investors-are-betting-on-the-rand-20230726
南アの現地紙に、日本の個人投資家の南アランドなどの高金利・新興国通貨の投資動向が掲載されていた。
東京金融取引所の7月統計からは、メキシコペソや南アフリカランドなど4通貨における個人口座保有者の買い越し額は1,470億円に増加した。これはここ2年以上で最高額。
日本の個人投資家に最も人気のある新興市場通貨であるメキシコペソの買い越し額は今月、2017年以来の数字で過去最高に達した。メキシコペソ、南アランド、ポーランドズロチ、トルコリラ、4通貨のロングポジションと円のショートポジションを合わせると、2021年末以来約35%上昇した。
(久々に南アで日本の個人の円キャリートレードが語られている。リーマンショック前には、南ア中銀やNZ中銀の議事要旨に、日本の個人投資家の買でランドやNZドル相場の上昇に言及していたことがあるが、今回は金融メディアのリポートに留まった)