2008年に雑貨店「PLAZA」を傘下に

主要駅や大型商業施設などに出店し、若者を中心に人気の生活雑貨店「PLAZA(プラザ)」。全国に110店舗を展開している。かつてはソニー(現ソニーグループ)の一員だったが、現在の親会社は他でもないTBSホールディングスだ。

TBSが210億円を投じて、運営会社のスタイリングライフ・ホールディングスを子会社化(保有比率51%)したのは2008年にさかのぼる。TBSが手がけた最初の本格的なM&Aだった。現在、スタイリングライフは700億円規模に上るTBSグループのライフスタイル部門の中核を担う。

M&A Online
(画像=「PLAZA東京店」(東京・丸の内)、「M&A Online」より引用)


放送事業外の売上比率60%目指す

TBSホールディングスは2020年10月、「東京放送ホールディングス」から現社名に改めた。これに合わせ、「コンテンツグループ」への転換を宣言した。放送事業を維持・拡大しつつ、さまざまなコンテンツ領域を取り込みながら、放送以外で事業のすそ野を広げ、着実な成長を目指そうというものだ。

具体的な方向性を示したのが2021年5月に発表した長期ビジョン「TBSグループ VISION2030」。それまで「6:4」だった放送事業(CM枠による放送収入が主体)と放送事業以外の売上高比率を2030年3月期に「4:6」にする目標を盛り込んだ。つまり、放送事業以外の比率を60%に高め、放送事業と逆転させる。ちなみに、2030年3月期時点の総売上高は5500億円を想定する。

足元の業績はどうか。2023年3月期は売上高2.8増の3681億円、営業利益2.1%増の207億円、最終利益9.9%増の351億円。売上高、営業利益は2009年の持ち株会社制への移行後の最高を記録した。売上高をみると、放送事業54%、放送事業以外46%の構成になっている。

中期経営3カ年計画の最終年度にあたる2024年3月期予想は売上高5.9%増の3900億円、営業利益25.1%増の260億円、最終利益30.4%減の245億円。放送以外の事業の売上高比率については47.5%を見込む。

◎TBSホールディングスの業績推移(単位は億円)

2020/3期 21/3期 22/3期 23年/3期 24/3期予想
売上高 3567 3256 3582 3681 3900
営業利益 131 108 203 207 260
最終利益 301 280 320 351 245