成長投資、1400億円を配分

現行中計はポストコロナを見据え、成長への種まきをテーマに掲げる。期間中、約1400億円の成長投資枠を設定。2年を終えた時点でおよそ730億円を実行した。

目玉の一つが日本発のコンテンツを海外配信に特化した戦略子会社THE SEVEN(東京都港区)の設立だ。300億円規模の予算を用意し、5年以内に世界的ヒット作を2~3本生み出すことを目標とする。横浜市内の緑山スタジオには海外配信専用の新スタジオを建設した。

また、バレエダンサーの熊川哲也氏が率いるK‐BALLET(東京都文京区)に32%余りを出資し、同社を持ち分法適用関連会社とした。アジアを中心とした海外バレエ公演と、スクール事業を両輪とし、新たなビジネス開発を進める。

ビデオアドソリューション(動画広告)を手がける新会社VOXX(東京都港区)を立ち上げたほか、既存のアニメ制作子会社のSeven Arcs(東京都練馬区)に対しては25億円の増資を実施し、体制を強化した。

そして中計最終年度を迎え、繰り出したのが300億円近くを投じた、やる気スイッチグループの大型買収だ。知育・教育事業はむろん、各方面にまいた種を新たな収益の柱にどう育てていくのか、TBSグループの力量が試されることになる。

◎TBSホールディングスの沿革

主な出来事
1951 関東初の民間放送局「ラジオ東京」として設立
1960 テレビ・カラー本放送を開始
東証1部に上場(2022年4月、東証プライムに移行)
東京放送に社名変更
1981 緑山スタジオを横浜市青葉区に完成
2002 プロ野球の横浜ベイスターズを子会社化
CS「TBSチェンネル」放送開始
2003 地上デジタル放送開始
2005 筆頭株主の楽天(現楽天グループ)が東京放送に対する経営統合提案を撤回
2008 スタイリングライフ・ホールディングスを子会社化
2009 放送持ち株会社への移行に伴い、東京放送ホールディングスに社名変更
2011 横浜ベイスターズをDeNAに譲渡
2013 ベンチャー投資子会社のTBSイノベーション・パートナーズを設立
2014 技術制作会社の東通(現TBSアクト)を子会社化
2015 BS‐TBSを完全子会社化
2020 TBSホールディングスに社名変更
2023 6月、総合教育事業のやる気スイッチグループホールディングスを子会社化

文:M&A Online